東洋医学と西洋医学の違い~自己治癒力を導く医術と命を救う医療
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東洋医学と西洋医学の違い~自己治癒力を導く医術と命を救う医療

 現在、日本の病院では西洋医学による医療が施され、代替医療として鍼灸治療などが行われています。では、東洋医学と西洋医学の違いはなんでしょうか?

 ここでは、自己治癒力と命の観点から、東洋医学と西洋医学の特長をお話しします。

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 第1章 自己治癒力とは
 第2章 炎症は自己治癒力の1つ
 第3章 自己治癒力と薬の働き
 第4章 昔も今も変わらない自己治癒力
 第5章 自己治癒力を導く医術
 第6章 命を救う医療
 第7章 父なる西洋医学と母なる東洋医学

第1章 自己治癒力とは

 同じ病でも薬や手術などの現代西洋医学による治療で完治する人もいれば、なかなか治らずに鍼灸など東洋医学による治療で回復していく人もいらっしゃいます。

 いったいこの違いは何なのでしょうか?

 それは、その人の治ろうとする力、すなわち自己治癒力の強さによるのです。

 自己治癒力とは、病気から体を守る免疫力や回復力、傷や骨折の修復能力、細胞が生まれ変わる再生能力や新しい生命を授かる妊娠力、そして、憂鬱や落ち込んだ気持ちから立ち直る復活力などを言います。fufu_young

 生命を維持して健康に生きていくために必要な力を総称して、自己治癒力と言います。

 これは、本来だれにでも備わっている力です。

 薬や手術で治っていく人は、その人の持つ自己治癒力がしっかり働いているのです。辛い症状を薬で抑えている間に、白血球などの免疫力がウイルスや細菌などの外敵を退治して治癒していきます。手術を受けた後の傷も、細胞の再生能力によって修復されて完治していきます。

 人はだれでも自己治癒力によって病から回復しているのです。

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第2章 炎症は自己治癒力の1つ

 たとえば、かぜをひいたとき喉が痛くなります。このとき喉では、粘膜から侵入してきたウイルスと自分の免疫力が戦っています。

 ウイルスなどの外敵が侵入してくると、近くの細胞から化学物質が放出されます。この物質の働きで血管が拡張して血流が増加します。そして、増加した血流にのって白血球などの免疫細胞がどんどん集まってきてウイルスをやっつけてくれます。免疫力

 ところがこの化学物質は痛みを発生させる発痛物質でもあります。痛みを感じることで、外敵が侵入してきたことを教えてくれているのです。

 のどが赤く腫れて痛いのは、ウイルスが腫れさせて痛がらせているのではなく、侵入してきた外敵を退治するときのからだの反応です。

 ウイルスなどの外敵が侵入してきた喉は、免疫細胞を集めるために血流が増加することで赤く腫れ、分泌された化学物質によって痛みを感じているのです。これがのどの腫れと痛み、つまり「炎症」の正体です。

 炎症は決してからだの悪い反応ではありません。

 炎症は、からだに侵入してきたウイルスなどの異物を退治し、損傷した組織(細胞)を修復する一連の生体防御反応です。

 炎症も自己治癒力の1つなのです。

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第3章 自己治癒力と薬の働き

 防御したり修復したりするときに痛みなどの症状は起こりますが、みなさんのからだには、このようにすばらしい自己治癒力が備わっています。meneki_good

 しかし、時としてからだの反応が強く出ることがあります。たとえば、炎症(=防御反応)が強く眠れないほどの痛みを起こすことがあります。この辛い痛みを一時的に抑えてくれるのが鎮痛剤や消炎剤などの薬です。

 一般に、かぜ薬といわれているものも、喉の痛みなどの炎症を一時的に抑えるものです(ちなみに、風邪ウイルスを退治する特効薬は未だ開発されておらず、発見したらノーベル賞間違いないとまで言われています)。

 のどの痛みが辛くて眠れないようなときには、薬で一時的に症状を和らげてゆっくり眠ることも大切です。からだを休めることで体力が戻り、自己治癒力によって回復できるのです。

 しかし、薬によっては防御反応である炎症を止める作用が強いものもあるので、使い過ぎには注意が必要です。

 また、かぜをひくと熱が出ることがあります。これは、ウイルスは熱に弱く、免疫力は高温の環境でより活発に働くためです。からだは、ウイルスが侵入すると体温を上げて、外敵を退治しやすい環境にしているのです。

 病院で「39度を超えたら、あるいは辛くなったら解熱剤をのんでください」、と言われるのはこのためです。むやみに熱を下げない方が早くウイルスが退治できて回復しやすいのです。

 しかし、あまり高熱になるとからだが辛いこともあります。このとき、体力を消耗し過ぎないように処方されるのが解熱剤です。

 一時的に熱をさげて体力を回復し、自己治癒力によって治っていくのです。suimin_woman

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第4章 昔も今も変わらない自己治癒力

 このように人には自己治癒力というすばらしい機能が備わっています。

 薬も医療機器もなかった時代から人々が生きてこられたのは、ひとえにこの自己治癒力があったからです。

 そして、この治癒力は昔も今もかわらず皆さんのからだに備わっているのです。

 手術を受けた後も傷の修復機能がしっかり働き、新しい元気な細胞に生まれ変わり健康なからだに回復していきます。

 気持ちが落ち込んだときも、気分転換したり、しっかり睡眠をとって休養したりすることで自己治癒力が働き、立ち直っていけます。walking_woman

 また、赤ちゃんに恵まれにくい人も食事などの生活習慣を見直したり、不妊医療を受けたりすることで妊娠力が戻ってきます。syokuji_woman

 自己治癒力がしっかり働くと、病気や手術、精神的なストレスなどでからだに負担がかかっても、健康なからだに戻っていくことができるのです。

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第5章 自己治癒力を導く医術

 一方、薬を飲んだり、病院で治療を受けたりしてもなかなか治らない、それどころか、症状が増え薬の量も増えていく人がいます。良いと言われることをいろいろ試しても、症状がなかなか改善しない人もいます。

 これは、その人の自己治癒力が低下してしまったためです。ですから、いくら薬で症状を抑えても薬がきれればまた症状は繰り返します。

 それはなぜでしょう?

 多くの薬は一時的に症状を抑えるものであって、病の根本原因を取り除くものではないからです。meneki_bad

 自己治癒力が低下してしまっては、病は長引きなかなか治りません。術後の体力も回復せず、傷あとの修復にも時間がかかります。また、落ち込んだ気持ちから立ち直ることも、新しい命を授かることも難しくなります。

 ここまで低下してしまった自己治癒力は、自分の力だけでは回復が難しい場合があります。

 鍼灸治療は低下してしまった自己治癒力がきちんと働くように手助けをします。hari_chiryou_woman

 鍼灸治療は数千年におよぶ長い歴史の中で、病気の成り立ちを東洋医学的に解明し、自己治癒力によって病から回復できることを明らかにしてきました。

 そして、その考え方と治療法は脈々と現代にまで受け継がれているのです。

 人のからだは、仕事や人間関係などのストレス、交通事故やスポーツなどの外傷、また、不規則な生活や偏った食生活、などの要因が重なり合うことで、気血の流れにかたよりやとどこおりが起こってきます。

 そして、だんだんとからだの芯が「冷え」、自己治癒力が低下していきます。東洋医学では、これを「根元的な冷え」と呼んで、病の根本原因と考えています。

 そしてそれは様々な症状、たとえば慢性的な肩こり、腰や膝の痛み、頭痛、手足の冷え・むくみ、などとなって体に現れてきます。

 寝ても疲れがとれない、頭が重い、めまいがする、イライラする、よく眠れない、手足がむくんで冷える、のぼせるなど、体調が悪いが病院で検査をしても原因となる病気がみつからない。これら不定愁訴や自律神経失調症の多くも、「冷え」が原因で起こります。

 また、逆子、つわりなど妊娠中の悩みや不妊、月経痛(生理痛)、月経不順(生理不順)、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害など婦人科症状の根底には必ず「冷え」があります。

 さらに「冷え」が強くなると膠原病、がん、うつ病、パニック障害、慢性疾患など現代西洋医学でも治療が難しい病気を招くことになります。

 東洋医学では、気血の流れが乱れ、からだが冷え、自己治癒力が低下することで病になると考えられてきました。

 「気血のめぐりを整え、冷えをとり、自己治癒力が最大限に働くように導くこと」、これこそが鍼灸治療の真髄なのです。happy_woman5

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第6章 命を救う医療

 一方、西洋医学は欧米で生まれた医学で300~400年の歴史があり、日本では約100年の歴史があります。

 歴史的に西洋医学は人の命を救う医療として発展してきました。

 新たな感染症や戦争などが起こるたびに治療法が生まれ進歩してきました。抗生物質が作られ感染症が減少したり、消毒や麻酔の技術がうまれ外科手術が飛躍的に向上したりして、それまで救えなかった命も救えるようになりました。

 昔は今ほど医学が発達しておらず、結核菌や赤痢菌、コレラ菌などの感染症は脅威とされてきました。20世紀前半、特に結核は日本において猛威をふるい、死因のかなりの割合を占めていました。

 しかし、1950年ごろ、結核菌の特効薬である抗生物質(ストレプトマイシン)が開発されたことにより、結核による死亡率は激減しました。それまで不治の病と恐れられていた結核は、それほど怖い病気ではなくなりました。medicine_capsule

 その後も様々な抗生物質が開発され、今日では細菌による感染症で亡くなる人はかなり少なくなったと言われています。

 外科手術の分野では消毒や麻酔の技術が確立し、痛みのない安全な手術が行われるようになり、多くの命が助かるようになりました。

 近年では、臓器移植の進歩により幼い命が救われたり、不便な生活から解放され健康的な日常を送れるようになったりしています。medical_zouki_donor

 また、西洋医学の発展は医療機器の開発の歴史でもあります。

 病巣やウイルス・細菌などの外敵をみつけるために、レントゲンやCT、MRI、顕微鏡などの高度な医療機器が開発され、病原を素早く特定することで迅速な治療が行えるようになりました。medical_igan

 これらの医療技術を駆使して、日々、脳卒中や急性心筋梗塞などの救急救命や外科手術、生命を脅かす感染症の対策、さまざまな薬の効果など、臨床の現場では西洋医学が得意とする治療が施され、多くの命が助けられています。

 そして、現在ではその研究は細胞や遺伝子にまで及んでいます。

 iPS細胞は研究が進めば、病気や怪我などによって失われてしまった機能を回復させる、再生医療に活用できると期待されています。

 また、異常な遺伝子を持っているため機能不全に陥った細胞の欠陥を修復する、遺伝子治療の研究なども進められています。

 このように西洋医学は、命を救うための研究が日々続けられているのです。

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第7章 父なる西洋医学と母なる東洋医学

 一刻を争う救急救命や命にかかわる難病など、病院では西洋医学が得意とする治療が施され、日々多くの命が助かっています。また、辛い症状を和らげる薬の効果に助けられている人も多くいらっしゃいます。echo_kensa_woman

 その一方で、不定愁訴や自律神経失調症、慢性疾患などで困っている方や、更年期障害や不妊、逆子やつわりなど産科・婦人科の症状で悩んでいる方が鍼灸院をおとずれ、多くの人が自己治癒力によって快方していきます。

 また、病院で完治不可能と言われた病でさえも、鍼灸で改善したという例が数多く報告されています。okyuu

 東洋医学と西洋医学、どちらが優れているというものではないのです。

 それぞれの治療には、特長と得意とするところがあります。

 東洋医学の自己治癒力を導く医術、西洋医学の命を救う医療、いずれも人々の健康のためにある素晴らしい医学です。

 現代には、どんな病も瞬時に治してしまうような治療法はまだありません。しかし、東洋医学、西洋医学という治療法があります。それぞれの特長を生かして病を治していくという方法があるのです。

 「西洋医学は父なる医療、東洋医学は母なる医療」、なのです。

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