片頭痛の治療~東洋医学と西洋医学の役割
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片頭痛の治療~東洋医学と西洋医学の役割

 近年、片頭痛に悩まされている人が、増えてきていると言われています。なぜ片頭痛はおきるのか?なぜ女性に多いのか?、また、どんな治療ができるのか?など、東洋医学と西洋医学の話を交えながら分かりやすくお話しいたします。

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◇第1章 様々な頭痛
◇第2章 片頭痛の症状
◇第3章 片頭痛の原因
◇第4章 なぜ女性に片頭痛は多いのか?
◇第5章 片頭痛の治療 東洋医学と西洋医学
◇第6章 片頭痛に効果的なツボ
◇第7章 日常生活で気をつけること

様々な頭痛

 多くの方が悩まされている頭痛。一言に頭痛と言っても、様々な原因のものがあり、危険度も異なります。

●病変に伴う頭痛(危険な頭痛) : くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など
●機能性頭痛(慢性頭痛)    : 緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛

 「頭痛ぐらいなら、すぐに治るだろう。」、これぐらいの頭痛なら軽症と認識し、病院へ行く必要もないと考えている方も多いと思います。しかし、病変に伴う頭痛のように、ほっとくと重篤なことにつながるものもあります。

 「こんな頭痛ははじめて。いつもの頭痛ではない。何か、おかしい」と感じたのであれば、すぐに病院で診てもらうことをお勧めいたします。kenkoushindan_monshin

 

片頭痛の症状

 それまで頭痛を感じていなかったのに、突然ズキズキした頭痛に襲われるのが片頭痛です。

 発作性で片側性(あるいは両側性)の拍動性頭痛(ズキズキする痛み)を起こします。 数時間~数日続くこともあります。また、頭痛発作時には、音や光に敏感になることもあります。virus_zutsuu

 片頭痛には前兆を伴うタイプと前兆を伴わないタイプがあります。

 閃輝暗点(せんきあんてん)は、片頭痛の前兆として特徴的で、小さな視野欠損が徐々に拡大し、やがてその周辺がきらきらと輝く現象で、15分程度でおさまります。また、吐き気、嘔吐、あくび、むくみ、イライラ、などが現れることがあります。

 ただ、これらの症状には個人差があります。そして、前兆症状は頭痛と同時に起こることもあれば、頭痛の後に起こることもあるので、必ずしも前ぶれ症状とは限りません。

 一般に加齢とともに頭痛の発作頻度は減少し、症状は軽快していきます。

 片頭痛は特に20代から40代の女性に多くみられ、生理前に起こりやすいとされています。また、ストレスや心理的な葛藤からの解放後に発症しやすいと言われています。

 一方、片頭痛と間違われやすい頭痛もあります。

○緊張性頭痛

 緊張性頭痛は頭痛の中で最も頻度が高く、筋収縮性頭痛とも言われ、頭部、頚部の筋肉の緊張により起きます。

 血管が収縮することによって起こる頭痛で、頭を締め付けられるような頭重感や帽子をかぶったような感じになる被帽感があります。痛みは朝に軽く、夕方に強くなるなどの日内変動があり、天候によっても左右されやすい頭痛と言われています。肩こり、後頭部や首の後ろのこりを多く伴います。

 現代医学では、原因の詳細は不明と言われていますが、肉体的、精神的なストレスなどの心理的な要因があると考えられています。ストレスが誘因となって頭や首の後ろの筋肉が持続的に緊張して凝りを起こします。そして、それに伴い頭皮血管が収縮することで頭痛が起こると言われています。

○群発頭痛

 睡眠後、2~3時間以内に突然起き、発作性夜間頭痛と言われます。20~30歳代の青年・壮年男性に多く、男女比は5:1です。

 夜間睡眠中に突然、片側の眼窩周辺から始まり、えぐられるような激しい痛みが、数回から10回反復して起こります。痛みは5分ほどで最強に達して、20分~90分でおさまります。このような発作が年に1、2回の頻度で起こるとされています。

 頭痛発作の間に、顔面が赤くなったり、涙や鼻水が出たり、結膜の充血を伴います。ストレスやアルコールが誘発因子と考えられています。

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片頭痛の原因

 はぜ片頭痛はおきるのでしょうか?

 片頭痛という言葉自体は多くの人に認知されていていますが、現代医学において片頭痛の原因はいまだはっきりとは解明されていないのです。一般には、セロトニンという物質が、深く関わっていると考えられています。

 セロトニンは神経伝達物質(化学物質)の一種で、鎮静作用があります。脳内や血管内に存在していて、血管を収縮させて興奮をおさえる働きがあります。

 脳内でストレスを感じ始めると、興奮を抑えようとしてセロトニンが血液中に大量に放出されます。ストレスを感じている間はセロトニンが血液中に放出され、血管が緊張して収縮しています。ストレスから解放されるとセロトニンが減少します。すると、血管の緊張がとけて、拡張が起きます。

 この時、必要以上に拡張すると血管が引っ張られて頭痛が起こると考えられています。

 片頭痛を発症した人の血流を調べてみると、痛みが起きている部分の血液量は、大幅に増えていると言われています。これは血管が拡張し過ぎたことで、 多くの血液が流れていることを示しています。このため、片頭痛が起きたとき時は、「ズキンズキン」と拍動するような痛みを感じるのです。kibunwarui_woman

 ストレスを受ける→血管にセロトニンが大量に放出される→血管が収縮→ストレスから解放される →セロトニンが急激に減少→血管が必要以上に拡張→片頭痛がおきる、というメカニズムです。

 また、三叉神経説というものも考えられています。

 三叉神経は脳神経の中で、最も大きな神経で、顔面周辺の感覚をつかさどっています。この三叉神経が何らかの刺激を受けると、神経の末端から血管を拡張させる神経伝達物質が分泌されます。そして、血管が拡張して炎症がおこり、その炎症部分が三叉神経を刺激して片頭痛を発症させます。

 三叉神経が刺激を受ける→三叉神経の末端から血管拡張させる神経伝達物質を分泌→血管が拡張し炎症→炎症部が三叉神経を刺激→片頭痛がおきる、というメカニズムも考えられています。

 いずれにしても過度の血管拡張が片頭痛の正体ということになります。

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なぜ女性に片頭痛は多いのか?

 片頭痛に悩まされる割合は、圧倒的に女性が多く 、男性の4倍とも言われています。特に20~40歳代の女性に集中しています。

 では、なぜ多くの女性に発症しやすいのでしょうか?woman_question

 女性では生理前に起きることが多く、最も考えられる要因として、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが関連していると考えられています。そしてこのエストロゲンは先程登場したセロトニンの分泌にも大きく影響を与えています。

 生理の3日前の排卵期になると急にエストロゲンの量が下がり、これに伴い、セロトニンの量も急激に低下します。すると、血管を収縮させておくことができなくなり、脳の血管が過度に拡張して頭痛が引き起こされると考えられています。

 生理前、エストロゲンが減少→セロトニンも急激に減少→血管が過度に拡張→頭痛が引き起こされる、ということです。

 つまり生理によってエストロゲンの量が減るため、片頭痛を発症する女性が多くなる、と言われています。

 また、妊娠すると、片頭痛の発症は減少し、出産後、再び片頭痛が増加します。これは、妊娠すると生理は無くなり、エストロゲンの量が安定するためです。

 このように女性ホルモンが片頭痛に大きくかかわっているため、更年期障害、生理不順、月経困難、ストレス過多など、といった女性が、より片頭痛を発症することが多いといえます。また、片頭痛に悩まされてきた女性は更年期が近づくにつれて減少しますが、緊張型頭痛を発症する場合もあります。

 

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片頭痛の治療 東洋医学と西洋医学

 片頭痛は、血管の過剰な拡張で起きると言われ、西洋医学ではそこにスポットをあてて痛みの緩和をします。鎮痛剤や頭痛薬によって「血管の拡張」を一時的に抑えることができます。辛い痛みを即効性に抑える薬の効果はとてもすばらしいものです。

 しかし、残念ながら頭痛は繰り返し起こります。鎮痛剤や頭痛薬は、頭痛を「一時的」に対処するものであって、頭痛の根本原因を取り除くものではないからです。これだけ進んだ西洋医学においても、片頭痛はまだ完治に至ってはいないのです。

 一方、東洋医学では身体の芯の「根元的な冷え」に着目して治療を行います。

 昔から「冷えは万病のもと」と言われきました。

 人の体は、生活習慣やストレス、外傷、環境などの要因により、気血の流れに偏りやとどこおりが起きます(=つまり体内の循環システムに乱れが起きてきます)。そしてだんだんと体の芯に「冷え」が生じ、多彩な症状があらわれるのです。

 この「冷え」を東洋医学では「根元的な冷え」と呼び、病の根本原因と考えています。

 片頭痛もその多彩な症状の1つとして治療を行います。はりとお灸で身体の芯の冷えを取り除くことで、正常な循環システムを取り戻して、辛い症状がだんだん改善されていきます。okyuu

 確かに局所的には血管の拡張が起こっていても、それは、結果であって根本的な原因ではないのです。このような体質になった根本原因(=根元的な冷え)を取り除くためには、鍼灸治療とともに、生活習慣を見直すこともとても大切です。

 「冷え」は知らず知らずのうちにだんだんと身体の芯で大きくなっていきます。昨日今日で溜まるものではなく、長い時間をかけて大きくなっていくのです。

 根本治療は、たいへん根気のいる治療です。しかし、はりとお灸で身体の芯の冷えを取っていくことで、長年悩まされている症状が徐々に和らぎ、再発のしにくい体質に改善されていきます。

西洋医学の「痛みをすぐに抑える対症療法(=一時的だが即効性がある)」、
東洋医学の「体質改善を目指す根本治療(=根気がいるが根本原因に対処する)」、
いずれの治療法もとてもすばらしいものです。


 現代には、瞬時に病の根本原因を治して完治させてしまうような治療法はまだ存在しません。しかし東洋医学、西洋医学という、素晴らしい治療法があります。それぞれの治療法の特長を生かして病を治していくという方法があるのです。

 family_danran片頭痛は、一生向き合っていかなければならない病気と言われています。しかし、片頭痛に対して正しい認識をもち、東洋医学と西洋医学を上手く併用することで、症状を最小限にとどめ、より快適な日常生活を送ることができると考えます。

 これは、片頭痛に限らず、不定愁訴や自律神経失調症、慢性疾患などのすべての病に言えることです。

自分の病はなかなか治らないとあきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。

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片頭痛に効果的なツボ

 ご家庭でできる片頭痛や吐き気の対処法をご紹介します。

◇辛い片頭痛の緩和には、陽陵泉(ようりょうせん)など足の胆経のツボが効果的です

 胆経は胆のうを司り、身体の側面をめぐる経絡です。胆経が悪い人は片頭痛や側頭部痛など、身体の側面にいろいろな症状が現れます。胆経説明図足

 胆経には陽陵泉という代表的なツボがあります。膝関節の外側から下へ探っていくと、小さな丸い骨の突起があります。その前のすぐ下の窪みにあるのが陽陵泉です。ここを親指で10回ほど指圧します。

 次に股関節から足の外側を通って足の薬指の先まで(胆経)を、軽くこぶしを握った小指側でトントンとリズミカルに3~4回たたきます。胆経に沿ってもみほぐすとさらに効果的です。

◇頭全体の痛みやそれに伴う吐き気や目の疲れには、眉間と後頭部のツボがおすすめです

 印堂(いんどう)、瘂門(あもん)、太陽(たいよう)、足三里(あしさんり)、合谷(ごうこく)などのツボが効果的です。印堂・太陽の説明図

 眉間中央にある印堂のツボを指の腹で、ゆっくり丁寧に10回ほど指圧します。次に後頭部に手をまわし、うなじの中央で髪の生え際から上約1センチのところにある瘂門のツボを親指の腹で10回ほど指圧します。このとき、親指以外の四指は頭にかけ、頭を後ろに倒すとうまく親指の圧がツボに加わります。

 症状がまだ治まらないときは、眉の外側の端から親指幅分後ろの窪みにある太陽のツボを、人差し指の腹で左右同時に押します。太陽は、目の疲れからくる頭痛にも良いツボです。

 さらにそれでも効かない場合は、足三里と合谷のツボを指圧します。

 足三里の説明図足の膝を直角に曲げ、手の親指(足と同側の手を使う)を膝の皿の上に置き、人差し指を向こうずねに沿わせて伸ばしきったとき、中指の先が当たる所が、足三里のツボです。

 合谷は、手の親指と人差し指の分かれ目の窪みにあります。手の甲を上にして指を開きます。親指と人差し指のつけ根を探ると、押さえた時に痛みを感じる窪みが合谷のツボです。反対の手の親指で甲側から、人差し指で手のひら側からツボをはさむように同時に押します。合谷は応用範囲が広く、とても良いツボです。合谷の説明図

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日常生活で気をつけること

○ストレス

 片頭痛のメカニズムを見てきましたが、根本にはストレスがあり、生活習慣から発症しているのです。busy_man
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 ストレスは様々な病の原因として登場してきますが、仕事、家事、育児、介護など日々の生活の中でストレスを感じない、ということはなかなか難しいことだと思います。

 

 休息や規則正しい生活、食事、運動などを工夫し、生活習慣を見直す ことで、ストレスに負けない身体にしていきましょう。 自分なりのストレス解消方法も考えていくとよいでしょう。walking_woman

 

○薬

 「痛み出した時だけ、鎮痛剤などを服用する」、実際このように片頭痛に対応している人が多いようです。medicine_capsule

 長年頭痛で悩まされて、鎮痛剤を飲み続けていませんか?
 薬を飲む頻度が増えて、頭痛が発症しやすくなってはいませんか?

 これらの兆候がある場合、薬の乱用による頭痛の可能性があります。薬を長期にわたって常用すると体が薬に慣れてしまい、効きにくくなります。そして、たびたび鎮痛剤を服用するようになってしまい、「薬剤誘発性頭痛」という症状を起こすことがあると言われています。

 確かに鎮痛剤などで一時的に頭痛を除くことはできます。しかし、服用を繰り返すと、薬の効果は弱まります。

 鎮痛剤は一時的に頭痛を対処するものであって、頭痛の原因を取り除くものではないからです。

 このような症状になるまでに、必ず鍼灸治療院や医師に相談してください。ご自身の判断のみで片頭痛を解決しなことが大切です。

 

○食事

 片頭痛は、過度の血管拡張によって起こるとお話しましたが、赤ワイン、チョコレート、チーズには血管拡張物質の1つであるチラミンが入っています。これらの食べ物は、片頭痛を誘発する可能性があるので、摂りすぎないことをお勧めします。

 マグネシウムをたくさん含む緑黄色野菜は、逆に片頭痛を予防する食べ物として挙げられます。マグネシウムは、身体に必要な成分の1つです。

 vegetableマグネシウムが不足すると、「めまい」や「足がつる」「慢性的な疲れ」「ストレス」など、身体に様々な症状を引き起こします。また、血管が痙攣(けいれん)を起こしやすくなります。そして、痛みに敏感になり、些細なことで片頭痛の痛みを感じるようになります。

 調査によると、片頭痛を発症している人の50%以上でマグネシウムが不足している、と言われています。 マグネシウムを摂取することによって、血管の痙攣(けいれん)を防ぎ、片頭痛を発症しにくくなります。 ぜひ、緑黄色野菜を豊富に摂取するようにしてください。

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