冷えの本質~冷えをとり、自己治癒力を高める鍼灸治療~
ホーム > 冷えの本質~冷えをとり、自己治癒力を高める鍼灸治療~

冷えの本質~冷えをとり、自己治癒力を高める鍼灸治療~

 東洋医学では昔から「冷えは万病のもと」と言われてきました。

 近年、西洋医学の分野でも「冷え」と病気の関係について注目され、免疫力や生殖機能の低下、また、自律神経の乱れなど身体の大切な機能の低下が「冷え」と関係しているといわれるようになってきました。

 西洋医学でいう「冷え」とは、「体温が1度下がると免疫力は30%低下する」と言うように、「低体温である」、「手足が冷たい」、「寒がり」、などというような「冷熱」の冷えを指しています。

 一方、東洋医学における「冷え」は、温度感覚の冷えだけではなく、実はもっと大きな意味があるのです。

 ここでは、東洋医学における「冷え」について詳しくお話ししたいと思います。

 冷え本質を理解することで、健康で幸せな人生を送るヒントになれば幸いです。
fufu_young
 下線部をクリックするとご覧になりたい章に移動します。

 ◇第1章 「生理的な冷え」と「病的な冷え」
 ◇第2章 根源的な冷えと自己治癒力
 ◇第3章 冷えをとり、自己治癒力を導く鍼灸

第1章「生理的な冷え」と「病的な冷え」

生理的な冷え

 人は誰でも「精気」を持ってこの世に生を受けます。精気とは生まれ出た時にそのヒトに与えられた生命の根元です。

 科学的な言葉では、生命力やエネルギーと言い換えるとわかりやすいでしょうか。

syussan_akachan
 そして、人は日々ほんの少しずつこのエネルギー(≒精気)を使いながら暮らしています。

 年齢とともに、非常にゆっくりとエネルギーは低下していきます。

 エネルギーが減っていくことで、体の様々な機能がゆっくりと衰えていきます。そして、エネルギーを使い切ると、人は寿命を迎えます。

 東洋医学では、「エネルギー(≒精気)が減少して、体の機能が本来の働きをしなくなっていくこと」を「体が冷える」といいます。

 そして、寿命を迎えるとすべての機能が停止して、体はまさに冷たくなります。

 これは、すべての人に起こる「生理的な冷え」で、誰も避けては通れないものです。生まれた瞬間からとてもとても僅かですが、「生理的な冷え」は始まります。

生理的な冷え 
 仮に冷えが「生理的な冷え」だけであるならば、そのヒトはいわば健康的に老衰して寿命を迎えることになります。
thumbnail_family_big[1] 心身が健康ならば、エネルギー(≒精気)は120歳ぐらいで尽きると言われています。ちなみに、現在日本人の平均年齢は84歳(2015年WHO 発表)、最高齢は117歳です。

病的な冷え

 しかし、人生では、往々にして、途中で余分エネルギー(≒精気)を消耗するようなことが生じます。仕事のし過ぎや、過度のストレス、食べ過ぎや飲み過ぎ、あるいは、事故などで外傷を受けた時などです。
stress_womantsukareta_business_man

 これらが要因となって、エネルギーの低下を増長させ、「生理的な冷え」とは異なる「病的な冷え」を生じます。

 そして、だんだんと不快な症状が現れてきます。初めは軽い肩こりや腰痛、むくみなどの不調です。妊婦さんの場合は、軽い便秘や腰痛、つわりなどです。

katakori_woman 無理をしなければ、いつの間にか治ってしまうような症状です。


 ところが、無理が続きエネルギーの減衰が大きくなってくると、重い肩こりや腰痛、膝痛、手足の冷え、倦怠感、イライラ、頭痛、月経痛、自律神経失調症状、更年期障害、不妊など様々な症状があらわれます。
komatta_woman
 ひどくなると慢性化していきます。妊婦さんは、つわりが重くなったり、腰や股関節などの痛みがいつまでも続いたり、逆子がなかなか直らなかったりします。

 さらに「病的な冷え」が強くなると、膠原病、がん、うつ、パニック障害など現代医学でも治療が難しい病気を招くことになります。

病的な冷え 
 このように病気や不快な症状を引き起こすことになる「エネルギー(≒精気)の低下」を「病的な冷え」といいます。

 これが、東洋医学における「冷え」の本質で、病の根本原因となる「根元的な冷え」なのです。

 では、なぜ「根元的な冷え(病的なエネルギーの低下)」が生じると、色々な症状や病気が起こるのでしょうか? woman_question

ページトップに戻る

第2章 根元的な冷えと自己治癒力

 本来、人の体には自己治癒力という素晴らしい力が備わっています。

 自己治癒力とは、病から体を守る免疫力や回復力、傷の修復能力、細胞の再生能力や新しい命を授かる妊娠力、そして、憂鬱や落ち込んだ気持から立ち直る復活力などをいいます。

 生命を維持して健康に生きていくために必要な力を総称して、自己治癒力と言います。

meneki_good
 すべての人の体に備わっているこの力はとても素晴らしいものです。薬も病院もない時代から人々が生き延びてこられたのは、ひとえにこの自己治癒力があったからです。

 この治癒力は昔も今も変わらずに皆さんの体に備わっているのです。

 そして、自己治癒力は命の根源であるエネルギー(≒精気)を元にして、24時間365日休むことなく体を健康に保っています。

 ところが、仕事などの無理が続き、「根元的な冷え(病的なエネルギーの低下)」が起こると、自己治癒力は一時的に低下してしまいます。


 例えば、風邪について考えてみましょう。

 私たちの周りは風邪ウイルスや細菌などでいっぱいです。普段は、皮膚表面や喉、鼻などの粘膜にある免疫力(自己治癒力)が、外敵の侵入を防いでいます。

 ところが、「根元的な冷え」が生じると免疫力が一時的に弱まり、ウイルスは体内に侵入してきて風邪をひくことになります。
sick_netsumeneki_bad
 身体を休めれば体力は戻り、「根元的な冷え」は解消され、体内の白血球などの免疫力(自己治癒力)が風邪ウイルスを退治してやがて治癒します。

 ところが、無理を続けると冷えは強くなり、免疫力は低下してしまいます。

 その結果、ウイルスをなかなか退治できずにいつまでも風邪が長引くのです。冷えがさらに進むと、肺炎などを招くことになります。

 ちなみに、風邪薬は喉の痛みなどの症状を一時的に抑えるもので、ウイルスを退治するものではありません。

 風邪ウイルスを退治する特効薬はいまだ開発されておらず、発見したらノーベル賞間違いないと言われています。

 ウイルスを退治して風邪を治しているのは、そのヒトの免疫力(自己治癒力)なのです。


 また、腰痛、肩こりなどの運動器系の症状も、本来、自己治癒力で自然に治癒していくものです。

youtsu_woman
 人の体は約60兆個の細胞でできていると言われています。そして、古くなった細胞や傷ついた細胞は、日々、新しい細胞に生まれ変わっています。

 これを細胞の再生能力といい、大切な自己治癒力の1つです。

 筋肉や骨ももちろん細胞から成ります。何かのきっかけで腰痛や肩こりが起きても、そのヒトの自己治癒力で元気な細胞に再生され、やがて痛みや不快な症状はなくなっていくものです。
kinniku_character ところが、ストレスなどが続き「根元的な冷え」が生じると、自己治癒力(細胞の再生能力)低下してしまいます。

 そうすると、いつまでも腰痛や肩こりが続くことになるのです。

 湿布や鎮痛剤は、痛みやコリを一時的に和らげるもので、筋肉や骨を治すものではありません。もちろん湿布を貼っているうちに、治っていくヒトもいらっしゃいます。

 それは、痛みを麻痺させている間に、そのヒトの自己治癒力で修復されていくからです。

 一方、いくら薬や湿布を使っても治癒しないヒトもいます。それは、「根元的な冷え」が進行し、修復できないほどに自己治癒力が低下してしまったからです。


 精神的な症状も同様です。

 例えば、義務感が強く、仕事熱心で、常に他人への配慮を重視する人は、とても気を使い(エネルギーを使い)、冷えが生じてきます。

 一生懸命に努力した結果が伴っているうちはエネルギーの回復、つまり、冷えが補われますが、成果が出せない状態が続いたりすると、エネルギーが欠乏し、「根元的な冷え(病的なエネルギーの低下)」が生じてきます。

utsu_woman
 そして、だんだんと自己治癒力が低下してしまうのです。その結果、「セロトニン」や「ノルアドレナリン」などの脳内伝達物質を分泌する機能が弱まり、うつ病やパニック障害を招くことになります。


 このように「根元的な冷え」が生じると、自己治癒力が一時的に弱まり、何らかの症状が現れます。

 無理をしなければ、冷えは補われ、やがて自己治癒力で治っていきます。

 しかし、無理が続くと冷えは増長し、自己治癒力はさらに低下してしまいます。

 すると、慢性症状になったり、病状が悪化したり、現代医学でも治療が難しい病気を招くことになるのです。

 あらわれる症状や病気は、そのヒトの体質、生活習慣、生活環境などの背景により様々です。

 重要なのは、「病の根底には、根元的な冷え(病的なエネルギーの低下)がある。」ということです。

 そして、冷えは、仕事のし過ぎや過度のストレス、食べ過ぎや飲み過ぎ、あるいは、外傷などの要因が重なりながら、長い時間をかけて徐々に溜まってきます。

 冷えの多くは、日常生活から生じているのです。

ページトップに戻る

第3章 冷えをとり、自己治癒力を導く鍼灸

 病院では西洋医学が得意とする治療が施され、辛い症状を和らげる薬の効果に助けられながら治癒していく人がいます。

 一方、薬を飲んだり、病院で治療を受けたりしてもなかなか治らない、それどころか、症状が増え、薬の量も増えていく人達がたくさんいらっしゃいます。良いといわれる事をいろいろ試しても、なかなか改善しない人もいます。

 この違いはいったい何なのでしょうか?

 それは、そのヒトの自己治癒力の強さによるのです。
happy_woman5
 自己治癒力がしっかり働くと、薬などで辛い症状を抑えている間に、健康な身体に戻っていくことができます。

 しかし、そのヒトの自己治癒力が低下してしまっていると、いくら薬で症状を抑えても、薬がきれればまた症状は繰り返します。多くの薬は、病の根本原因を取り除くものではないからです。

 自己治癒力が低下してしまっては、病は長引きなかなか治りません。落ち込んだ気持ちから立ち直ることも、新しい命を授かることも難しくなります。

 ここまで低下してしまった自己治癒力は、ご自身の力だけでは回復が難しい場合があります。

 そんな時、鍼灸治療自己治癒力がきちんと働くように手助けをします。
okyuu
 不定愁訴や自律神経失調症など、慢性的な症状や痛みで困っている方や、更年期障害や不妊、重い悪阻や逆子など、産科・婦人科の症状で悩んでいる方が鍼灸院を訪れ、多くの人が自己治癒力で快方していきます。

 また、病院で完治不可能と言われた病気でさえも、鍼灸で改善したという例が数多くあります。
happy_familyninpu_genki

 鍼灸治療は、病の根本原因である「根元的な冷え」をとり、自己治癒力の回復を促し、本来の健康な身体に導く治療法です。

 どんな病でも、自己治癒力で自然治癒する人は必ずいらっしゃいます。
nurse_nocap
 自己治癒力は昔も今もかわらず、みなさんの身体に備わっているのです。  

ページトップに戻る

引用文献 小林詔司:積聚治療 医道の日本社、安保徹:「やめてみる」病気は自分で治せる 永岡書店 

 

お気軽にお問い合わせください



«   |   »

はなもも便り