冷えの原因を知り、健康な体づくり
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冷えの原因を知り、健康な体づくり

冷えは万病のもと

 東洋医学では昔から「冷えは万病のもと」と言われてきました。「冷え」は人に本来備わっている自己治癒力を低下させてしまいます。

 

病院も薬もない時代から私たちが生き抜いてこられたのは、この自己治癒力のおかげなのです。

 ところが、現代では生活が豊かになり、これだけ医学も進歩しているのに、不定愁訴や難病など薬で治せない病気が増えています。これは、時代とともに「冷え」の溜まる原因が増え、人が本来もっている自己治癒力や免疫力が衰えてしまっていることが考えられます。

 近年、現代医学の分野においても「冷え」と病気の関係について注目され、多くの書籍も目にするようになってきました。自律神経のみだれや免疫力低下など、体の大切な機能の低下が、「冷え」と関係していると言われています。

 なぜ体が冷えると自己治癒力や免疫力が低下してしまうのでしょうか?

 それは、気血の流れ(血流)が悪くなってしまうからなのです。 血液中には免疫機能を持った白血球が存在し、血液をかえして体中をめぐっています。そして、ウイルスなどの異物が侵入してくると、血流にのって素早く対処に向かいます。

 ところがこの時、血液の流れが悪かったらどうなるでしょう? baikin_genki

 白血球は血液の中に存在しているので、血流が悪いとすぐに駆けつけることができなくなってしまいます。ウイルスなど異物の駆除に必要な量の白血球が集まらなければ、免疫機能が負け、結果的に発病してしまいます。

 また、血液には、体を構成する約60兆もの細胞に酸素や栄養を送り届け、二酸化炭素や老廃物を回収するという働きがあります。血流が悪くなると、1つ1つの細胞に酸素と栄養が届きにくくなり、その働きは弱まります。さらに、老廃物が体に滞りやすくなります。
この結果、自己治癒力や免疫力が低下して、体にさまざまな不調が現れるのです。

 ですから、冷えを取り、いつも気血の流れ(血流)を良くしておくことが、自己治癒力の向上につながるのです。

 では、「冷え」の原因は何なのでしょうか?

冷えの原因

 「冷え」は日常生活から起こることが多くあります。つまり病気のほとんどは日常生活の送り方から来るのです。

 「冷え」の原因を知り、生活を改善していくことが大切な治療・予防になります。

 それでは、普段の生活で見られる、冷えの主な原因をお話しします。

<1.食生活~季節や体調にあった食べ方>

 健康な体を作るのはなんといっても食事です。family_syokutaku
 朝ごはんを食べずに一日をスタートさせると、体温が上がらず、体が冷えやすくなります。偏食も代謝が悪くなり冷えの原因になります

毎回の食事を規則正しくとることが冷えない体を作る大前提です。

 また、東洋医学では、季節や体質にあった食事をとることで病気の予防や治療に役立ててきました。その食材が体を温める作用、冷やす作用で分類し、季節や体質に応じてとることが健康につながるという考え方があります。

 夏野菜など冷やす作用のあるものを食べると体内の熱を下げてくれます。暑い夏に新鮮なキュウリやトマトを食べれば、暑さがしのぎやすくなります。

 寒い冬には温める作用のある冬野菜を食べると体を温めてくれます。根菜類のニンジン、ゴボウ、大根など火を通した食材は体が温まります。

 昔は、旬の物を食することで、夏は暑さがしのげ、冬は冷えを予防できていたのです。ところが、現代では冬でも夏野菜のサラダを食することができます。 このため体が冷えやすくなっていると言えます。

 しかし、トマトやレタスなどの夏野菜も、煮込みやスープなどにすることで体を温める食事になります。温性のものを添えると冷やす作用は弱くなります。soup_minestrone
   
 食材にはそれぞれ大切な働きも含まれているので、夏野菜は体を冷やすから食べないではなく、調理の工夫をし、季節や体調にあった食べ方をして冷えを解消しましょう。

(温性の食材)
ニンニク、カボチャ、ニンジン、ネギ、ショウガ、唐辛子、シナモン、マグロ、アジ、サバ、イワシ、牛肉、豚肉、リンゴ、玄米、味噌など

(冷性の食材) ナス、キュウリ、トマト、レタス、セロリ、ミョウガ、カニ、アサリ、スイカ、バナナ、ナシ、メロン、白砂糖など


<2.冷たい飲食物>

 アイスや冷たいジュース、ビールは、暑い夏にはとてもおいしいですが、摂りすぎには注意が必要です。というのも、胃腸が消化・吸収しやすいのは体温よりも高い飲食物だからです。

 温かい飲食物は胃腸にやさしく、消化がスムーズですが、逆に冷たいものは、胃腸の温度が下がり、消化吸収が妨げられます。 さらに、飲食物の温度を体温と同じ位にしなければ消化吸収されにくいため、温度差が大きいほど余分なエネルギーが消化に使われることになります。medical_samuke

 つまり冷たい飲食物を摂ると、自分自身のエネルギー(熱)が使われるため、体は冷えるのです。


 さらに冷たい飲食物は、胃腸の血管を流れる血液を冷やしてしまいます。冷やされた血液は全身をめぐり、結果的に体全体を冷やしてしまうのです。


<3.エアコン~上手な利用>

 暑い夏でも、日常生活の中で「冷え」はおこりやすくなっています。

 熱中症対策としてとても大切ですが、エアコンの効かせすぎは体に負担をかけることがあります。温度を下げすぎた部屋に長時間いると、体の表面から冷えてきます。お仕事などで、冷えた室内と暑い屋外を出たり入ったりしていると、だんだんと自律神経がみだれてくることがあります。

 自律神経がみだれると、体温調節がうまくいかなくなったり、体がだるい、疲れがとれない、イライラする、よく眠れない、手足がむくんで冷える、のぼせる、などの症状がおきてきます。また、体が冷えると、血行が悪くなります。このため、筋肉が硬くなり、肩こりや50肩、腰痛、ぎっくり腰などの原因にもなります。katakori_woman

 さらに、冷たい空気は下にたまるので、足元から冷えて、膝が痛くなるなどの症状も起きてきます。夏なのに足が冷たいのは、エアコンの効かせすぎが原因であることが多いです。膝かけや、靴下を履くなどして対策をとりましょう。

 また、エアコンの効きすぎた部屋で、アイス、冷たいビール、ジュースなどをのむと、体の外と内の両方から体を冷やすことになります。

 エアコンも水分も熱中症対策としてとても大切です。しかし、エアコンを効かせすぎたり、冷たい飲食物を摂りすぎたりすることは、夏場に体を冷やしてしまう原因といえます。

 いずれも上手に利用して暑い夏をのりきりましょう。


<4.いきすぎた労働やストレス>

 business_zangyoukomatta_woman今の時代、仕事、家事、育児、介護など日々の生活の中でストレスを感じない、ということはなかなか難しいことだと思います。

 もちろん、私たちには、そのような負担やストレスに対する抵抗力も忍耐力もありますが、いくらその能力が高くても、毎日無理を続けていれば、やはり体を壊してしまいます。

 私たちの体は、仕事で忙しかったり、悩み事や人間関係などによるストレスを受けると、交感神経が緊張して、脈拍を増やして血圧を上昇させます。ある程度のストレスの下では、血流が増えて血行も良くなってよいのですが、いきすぎた時が問題なのです。

 いきすぎると血管の収縮が徐々に強くなってくるため、血流障害がおこり、体が冷えてきます。そして、「手足が冷える」「顔色が悪い」などの症状が現れてきます。

 活発に生きている人たちは、非常にはつらつとしていますが、限度を超えると体は冷え、だんだん元気がなくなってきます。これが病気になる前ぶれなのです。

 「無理な生き方や心の苦悩が冷えを招く」ということを理解し、限界を超えない生き方が大切です。

冷えを解消する鍼灸治療

 倦怠感、疲労感、慢性的な肩コリ・腰痛、イライラ、不眠、手足のむくみ、冷え、のぼせ、などの自律神経症状や不定愁訴には、特に鍼灸治療が効果的です。50肩やぎっくり腰なども血流を良くして、筋肉の緊張を緩和することで回復が早まります。

 また、骨盤内の血行が良くなるので、逆子など妊娠中の悩み子宝、生理痛、更年期障害など婦人科系の症状にとても適した治療法です。

 このようにさまざまな症状に鍼灸治療は効果的と言われています。

 当院で行っている積聚治療(しゃくじゅちりょう)は、病の根本原因である「冷え」をとり、気血の流れ(血流)を良くすることで、自己治癒力を回復させて、症状の改善を導きます。

 これまで述べてきましたように、現代は体が冷えやすい環境と言えます。ですから、生活習慣を見直して、無理しすぎている生活を改める、食事を工夫する、体を温めるなど、体を冷やさない自助努力がとても大切です。病気に負けない、病気を治せる体づくりを心掛けていきましょう。

 また、いつも気血の流れ(血流)を良くしておくことが、自己治癒力の維持・向上につながります。

 
症状が改善された後も、健康維持のために鍼灸治療を受けに来る方が多くいらっしゃいます。みなさん、体調を崩しにくくなった、風邪をひきにくくなった、風邪をひいてもすぐ治るようになった、なんとなく調子が良い、などと仰います。

 
shinkokyu_womanこれは、気血の流れ(血流)がスムーズで、全身に酸素と栄養がいきわたり、自己治癒力が正常に働いているからなのです。
健康な時にこそ、お体のメンテナンスが大切なのではないでしょうか。

 病の根本原因である「冷え」を解消して、健康な毎日をすごしませんか。

 
最後に・・・  毎朝起きたらまず、温かいお白湯を一杯飲むことをお勧めします。続けていると、だんだんと体のすみずみまで温まるのを感じるようになるでしょう。お白湯は吸収が早いので、朝のかわいた体にとてもやさしい飲み物です。

                                     引用文献  安保徹:免疫力の高め方  中経出版
                                           斎藤真嗣:体温を上げると健康になる サンマーク出版
                                           高野泰樹:冷え取り健康法 健康ジャーナル
                                           小林詔司:やまい一口メモ 太陽出版

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