更年期障害と鍼灸
ホーム > 更年期障害と鍼灸

更年期障害と鍼灸

 更年期とは、女性で言えば閉経前後の約10年間の時期を言います。

 この時期は女性ホルモンの一種であるエストロゲンなどの分泌が減り、その影響で体のあちこちに様々な症状が現れることがあります。更年期を迎えた人の約70%に症状が見られると言われています。

 また、更年期の症状は個人差が大きく、日常生活にまで影響を及ぼす場合を更年期障害といい、治療が必要な女性は20%~30%とみられています。

 下線部をクリックすると、ご希望の章がご覧になれます。
 ◇第1章 更年期障害の症状
 ◇第2章 女性ホルモンと自律神経の密接な関係
 ◇第3章 自律神経失調症状とは
 ◇第4章 更年期障害の根本原因と鍼灸治療

第1章 更年期障害の症状

 更年期障害の症状には、一般に次のような自律神経失調症状が見られます。

 kibunwarui_womannatsubate_girl急に起こるのぼせ感・発汗、下半身の冷え、手掌・足底・心胸部の熱感、動悸やめまい、不眠、頭痛、閃輝暗点(せんきあんてん)、肩凝り、腰痛、疲労感などの身体症状が現れます。また、イライラ、不安感、精神疲労、うつ症状などの精神的な症状も見られるのが特徴です。

 特に更年期の女性は、家事、仕事、子供の教育、介護など多くのストレスを受ける環境にあります。さらに、女性は心の変化を敏感に感じやすいことから、体調を崩すことがよくみられます。

 なかでも、不眠、イライラ、憂うつ、といった精神神経症状を訴える女性は増加傾向にあると言われています。

 エストロゲンが減少すると、なぜこのような症状が現れるのでしょうか?

第2章 女性ホルモンと自律神経の密接な関係

 更年期の症状は閉経にともない卵巣の働きが低下し、エストロゲン(卵胞ホルモン)などの女性ホルモンの分泌が急激に減少することで起こります。体内のホルモンバランスが変化し、今まで調整されていた体の機能がうまく働かなくなってくるのです。

 また、エストロゲンなどの分泌量は、脳の視床下部によってコントロールされています。視床下部の命令を受けて、脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されます。そして、このホルモンに刺激されて卵巣からエストロゲンが分泌されるのです。

 ところが、更年期には卵巣の機能が低下し、性腺刺激ホルモンに対して反応しにくくなり、エストロゲンの分泌量が減少してきます。そこで、減少分を補おうと視床下部は一生懸命に指令を出し、どんどん性腺刺激ホルモンが分泌されるのです。このため、さらに体内のホルモンバランスは乱れていくのです。

 body_nouまた、脳の視床下部には女性ホルモンの調節中枢だけではなく、自律神経の調節をつかさどる中枢や、怒り・不安などの情動中枢が集まっています。しかも、これらの中枢は極めて近くにあり、密接に連動していると言われています。

 このため、更年期に起こる女性ホルモンの変化や月経周期の乱れが、自律神経の働きや情動に影響を及ぼし、自律神経症状や精神的症状が現れやすくなると考えられています。

 このように、ホルモン分泌、自律神経、情動は密接に関連しているのです。

 では、自律神経の働きが乱れるとなぜ様々な症状が起こるのでしょうか?


ページトップに戻る

第3章 自律神経失調症状とは

 body_naizouまず、神経には体性神経と自律神経があります。体性神経は、手や足を自分の意思で動かすための神経です。自律神経は消化器を動かしたり、体温調整をするなど自分の意思とは関係なく働く神経です。呼吸、循環、消化、代謝、体温調整などの働きをコントロールして、生命を維持するための重要な働きをします。

 そして、自律神経には交感神経と副交感神経があります。

 face_nightwalking_woman交感神経は、仕事やスポーツの時に心臓の拍動や血圧を高めて、精神活動を活発にします。主に昼、活発になる神経です。
 副交感神経は、睡眠、休息をとるときに働く神経で、心臓の拍動をしずめ、精神活動を休めます。主に夜、優位になる神経です。

 また、自律神経は感情の変化にも連動して働きます。緊張した時や驚いた時は交感神経が亢進して心臓がドキドキします。緊張から解放された時は、副交感神経が優位になり心拍数は下がり、気持ちがおちつきます。

 このように、交感神経と副交感神経は必要に応じて、自動的に切り替わっているのです。

 ところが、これがうまく切り替わらずに、交感神経が亢進した状態や副交感神経が抑制された状態が長く続くと、様々な症状が出てくるのです。

 utsu_womanvirus_zutsuu交感神経の働きが亢進し過ぎた時には、イライラ、動悸・息切れ、不眠、頭痛、めまい、冷え症、肩こりなどの症状が現れやすくなります。また、副交感神経の働きが低下している場合には、食欲不振、便秘や下痢、無気力などの症状が現れます。

 更年期障害における自律神経症状は、交感神経あるいは副交感神経の失調症状と言われています。

 例えば、更年期によくみられる不眠の場合、通常は夜になると副交感神経が優位となりリラックスしてゆっくりと眠りにつきます。ところが、更年期障害では夜になっても副交感神経が優位とならず、交感神経が亢進した状態が続くために不眠を訴えやすくなるのです。

 このように、自律神経は体全体の器官をコントロールするいわば制御装置です。ですから、この制御装置の乱れから起こる更年期障害の症状は、体のいたる所にあらわれます。そして、あらわれる症状も人によって千差万別なのです。

 閉経が近づくにつれ、卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が減少していきます。これは、女性であれば誰でも迎える自然な体の変化なのです。

 では、誰にでも起こる生理的な変化なのに、なぜ更年期障害になる人とならずに自然に経過していく人がいるのでしょうか?


ページトップに戻る

第4章 更年期障害の根本原因と鍼灸治療

 一般に、几帳面で責任感が強い人やストレスを受けやすい環境の人は、更年期障害の症状が現れやすいと言われています。また、不規則な生活や食生活を続けてきたことなども原因と考えられています。

 しかし、このような人が必ず更年期障害になるとも限らないのです。これだけ進んだ西洋医学においても、なぜ更年期障害になる人とならない人がいるのか、まだはっきりとした原因は分かっていないのです。

 一方、東洋医学では、昔から「冷えは万病のもと」と言われてきました。さまざまな体の機能が冷えにより低下していくと考えられています。
seikatsu_syukan_woman_badstress_woman
 人の体は、生活習慣やストレス、外傷、環境などの要因により、気血の流れに偏りやとどこおりが起きます(=つまり体内の循環システムに乱れが起きてきます)。そしてだんだんと体の芯に「冷え」が生じ、多彩な症状が現れるのです。

 更年期障害もその多彩な症状の1つです。

 この冷えを東洋医学では「根元的な冷え」と呼び、病の根本原因と考えています。

 たとえば、私たちの体は、家事や仕事で忙しかったり、悩み事や人間関係などによるストレスを受けると、交感神経が緊張して、脈拍を上昇させます。ある程度のストレスの下では、血流が増えて血行も良くなって良いのですが、いきすぎた時が問題なのです。

 いきすぎると血管の収縮が徐々に強くなってくるため、血流障害が起こり、体が冷えてきます。そして、「手足が冷える」「顔色が悪い」などの症状が現れてきます。活発に生きている人たちは、非常にはつらつとしていますが、限度を超えると体は冷え、だんだん元気がなくなってきます。

 ストレスは体を冷やす大きな原因の1つです。ストレスにより交感神経が亢進し、血管が収縮し、体は冷えるのです。

 そして、体の芯に冷えが生じた結果、様々な機能が低下し、更年期に起こる一時的な生理の変化、つまりエストロゲンの減少に体が対応できなくなるのです。

 西洋医学的な治療は、不足するエストロゲンなどの女性ホルモンを用います。辛い症状を和らげてくれる薬の効果はすばらしいものです。しかし、残念ながら服用を続けないと症状は繰り返します。これは減少していくエストロゲンを一時的に増やしているので、不足すればまた再発するのです。このように西洋医学は、減少していくエストロゲンに着目して治療を行います。

 komatta_womanしかし、本来、更年期にはエストロゲンは減少していくことが体にとっては自然なことで、この変化に対応できない体質になってしまったことが問題なのです。

 このような体質になった根本原因(=根元的な冷え)を取り除くためには、鍼灸治療とともに生活習慣を見直すこともとても大切です。「冷え」は知らず知らずのうちにだんだんと身体の芯で大きくなっていきます。昨日今日で溜まるものではなく、長い時間をかけて大きくなっていくのです。

 根本治療は、たいへん根気のいる治療です。しかし、はりとお灸で身体の芯の冷えを取っていくことで体質が改善され、悩まされている更年期障害の症状が徐々に和らいでいきます。

 はなもも鍼灸治療院では、「冷えを解消し、更年期に起こる身体の変化を自然に経過していくように導く」という根本治療を行っています。

 happy_woman4はりとお灸で、「冷え」をとり、気血のめぐりを整え、体の機能の回復を促します。そして、陰陽のバランス、つまり、交感神経と副交感神経のバランスも整い、自律神経症状が徐々に緩和されていきます。そして、「更年期の生理的な変化を自然に経過する」という、本来の体を取り戻すのです。

 また、鍼灸治療は気血の流れが整うことで、精神安定作用もあると言われています。

 近年の研究では、鍼灸治療によりリラックス作用のある、エンドルフィンやエンケファリンなどのホルモンが分泌されることが明らかになり、注目されています。これらの働きにより、爽快感が感じられ、気持ちも前向きのなると考えられています。

 心と体が元気になる鍼灸治療は、更年期障害にとても適した治療法です。

 
 特に、更年期障害のように人によって様々な症状を呈するような病に対して、東洋医学は力を発揮します。

 nurse_nocap自分の病はなかなか治らないとあきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。


ページトップに戻る

お気軽にお問い合わせください



«   |   »

はなもも便り