東洋医学と西洋医学の違い~自己治癒力を導く施術と命を救う医療

東洋医学と西洋医学の違い~自己治癒力を導く施術と命を救う医療

 現在、日本の病院では西洋医学による医療が施され、代替医療として鍼灸などの東洋医学が用いられています。

 ここでは、東洋医学と西洋医学にどのような違いや特長があるのかお話します。

東洋医学と西洋医学の違い

 西洋医学は、その人のカラダの悪いところを見つけ出して薬や手術でそれを取り除くことで病気を治療します。東洋医学は、その人のカラダに備わっている治癒力を高めることで病気を治したり予防したりします。

 例えば、西洋医学は病気の原因になる細菌やウイルスを探し出してそれを退治するを作ったり、あるいは癌などの病巣を見つけて手術で切除します。

 一方、東洋医学はその人の治す力、つまり、自己治癒力(自然治癒力とも言います)を引き出すことで病気に立ち向かったり、病気にかかりにくいカラダに体質改善したりします。

 病気に対して西洋医学は外側から、東洋医学は内側から対処します。

 これが東洋医学と西洋医学の大きな違いです。

東洋医学の特長

 東洋医学の大きな特長は、自己治癒力に着目しているところです。

 人のカラダは本来、健康であり、健康を維持出来るように作られています。たとえ病気になっても自分で治していく力があります。

 たとえば、細菌やウイルスなどを退治する免疫力や、傷んだ細胞を新しく作り換える再生力は代表的なものです。

 健康を保ち、もし病気になっても自分で治す力が自己治癒力です。

自己治癒力の働き

 治癒力についてもっと詳しく知りたい方のために具体例をお話します。

 たとえば、風邪をひくと喉が痛くなります。このとき喉では、粘膜から侵入してきたウイルスと自分の免疫力が戦っています。

 ウイルスなどの外敵が侵入してくると、近くの細胞から化学物質が分泌されます。この物質の働きで血管が拡張して血流が増加します。そして、血流にのって白血球などの免疫細胞がどんどん集まってきてウイルスをやっつけてくれます。

 ところが、この化学物質は痛みを発生させる発痛物質でもあります。痛みを感じることで、外敵が侵入してきたことを教えてくれているのです。

 喉が赤く腫れて痛いのは、ウイルスが腫れさせて痛がらせているのではなく、外敵を退治するときのカラダの反応です。

 外敵が侵入してきた喉は、免疫細胞を集めるために血流が増加することで赤く腫れ、分泌された化学物質によって痛みを感じているのです。これが喉の腫れと痛み、つまり炎症の正体です。

 こうしてみると、炎症は決して悪い反応ではありません。

 炎症は、カラダに侵入してきたウイルスなどの異物を退治して損傷した組織(細胞)を修復する、一連の生体防御反応です。

 炎症は自己治癒力の1つです。

 防御したり修復したりするときに痛みなどの症状は起こりますが、みなさんのカラダには、このようにすばらしい力が備わっています。

 でも、時としてカラダの反応が強く出ることがあります。

 例えば、炎症(=防御反応)が強く眠れないほどの痛みを起こすことがあります。この辛い痛みを一時的に抑えてくれるのが鎮痛剤や消炎剤などの薬です。

 一般にかぜ薬と呼ばれているものも、喉の痛みなどの炎症を一時的に抑えるものです(ちなみに風邪ウイルスを退治する特効薬は未だ開発されておらず、発見したらノーベル賞間違いないとまで言われています)。

 喉の痛みが辛くて眠れないような時は、薬で一時的に症状を和らげてゆっくり眠ることも大切です。カラダを休めることで体力が戻り、自己治癒力によって回復できます。

 しかし、薬によっては炎症(=防御反応)を止める作用が強いものもあるので、使い過ぎには注意が必要です。

 また、風邪をひくと熱が出ることがあります。ウイルスはに弱く、逆に免疫力は体温が高いほど活性化するからです。カラダは体温を上げてウイルスを退治しやすくしています。

 病院で「39度を超えたら、あるいは辛くなったら解熱剤をのんでください」と言われるのはこのためです。むやみに熱を下げない方が早くウイルスが退治できて回復しやすいのです。

 こうして見ると、熱も自己治癒力の1つです。

 でも、あまり高熱になるとカラダが辛いこともあります。このとき、体力を消耗し過ぎないように病院から処方されるのが解熱剤です。

 一時的に熱をさげて体力を回復すれば、あとは自己治癒力によって治っていきます。

自己治癒力を高める東洋医学

 東洋医学の基礎が中国で生まれたのは、今から約2千年以上前のことです。そして日本へ渡ってきたのは6世紀前半、飛鳥時代の頃です。

 もちろん当時は今のような科学技術はまったく無い時代なので、免疫力などの詳しい仕組みはまだ解っていませんでした。

 しかし、先人たちは東洋的な観察力と数千年に及ぶ治療経験の中で、病気を予防したり治したりする力が人には備わっていることを見つけ、そこに着目してきました。

 そして、科学の発展によって免疫力などの存在が解明され、東洋医学で昔から言われてきた自己治癒力の実体が明らかにされました。

 薬も医療機器もないような時代から、病気やケガを治してきたのはその人の治癒力なのです。

 自己治癒力がしっかり働くと、健康なカラダに戻っていくことができます。

 手術を受けた後、傷口がきれいに治るのは細胞の再生力という治癒力が働いて新しい元気な細胞に生まれ変わるからです。

 気持ちが落ち込んだ時も気分転換したり、しっかり睡眠をとって休養したりすることで自己治癒力が働き、立ち直っていけます。

 また、赤ちゃんに恵まれにくい方も食事などの生活習慣を見直したり、不妊治療を受けたりすることで妊娠力が戻ってきます。

 たとえ心やカラダが病気になったとしても自己治癒力がしっかりと働けば、また元気になることができるのです。

 でも、時として治癒力が低下してしまうことがあります。すると、病気が治りにくくなります。

 薬を飲んだり、病院で治療を受けたりしてもなかなか治らない、それどころか症状が増え薬の量も増えていく人がいます。良いと言われることを色々試しても、症状がまったく改善しない人もいます。

 治癒力が弱まると病気は長引き治りにくくなります。術後の体力も回復せず、傷あとの修復に時間がかかります。また、落ち込んだ気持ちから立ち直ることも、新しい命を授かることも難しくなります。

 この時、東洋医学は鍼灸や漢方薬を使って自己治癒力を高めることで病気に対峙します。

 東洋医学は二千年以上に渡る長い歴史の中で、病気の成り立ちを解明し自己治癒力によって病から回復できることを明らかにしてきました。

 そして、その考え方と治療法は脈々と現代に受け継がれています。

 「自己治癒力を最大限に働かせる」これが東洋医学の大きな特長です。

西洋医学の特長

 西洋医学の大きな特長は、命を救うということです。

 西洋医学は欧米で生まれた医学で300~400年の歴史があり、日本では約100年の歴史があります。

 歴史的に西洋医学は人の命を救う医療として発展してきました。

 新たな感染症や戦争などが起こるたびに治療法が生まれ進歩してきました。

 抗生物質が作られ感染症が減少したり、消毒や麻酔の技術がうまれ外科手術が飛躍的に向上したりして、それまで救えなかった命も救えるようになりました。

 昔は今ほど医学が発達しておらず、結核菌や赤痢菌、コレラ菌などの感染症は脅威とされてきました。20世紀前半、特に結核は日本において猛威をふるい、死因のかなりの割合を占めていました。

 自己治癒力の弱い高齢者や子供は太刀打ちできませんでした。

 しかし、1950年ごろ、結核菌の特効薬である抗生物質(ストレプトマイシン)が開発されたことにより、結核による死亡率は激減しました。それまで不治の病と恐れられていた結核は、それほど怖い病気ではなくなりました。

 その後も様々な抗生物質が開発され、今日では細菌による感染症で亡くなる人はかなり少なくなったと言われています。

 外科手術の分野では消毒や麻酔の技術が確立し、痛みのない安全な手術が行われるようになり、多くの命が助かるようになりました。

 近年では、臓器移植の進歩により幼い命が救われたり、不便な生活から解放され健康的な日常を送れるようになったりしています。

 また、西洋医学の発展は医療機器の開発の歴史でもあります。

 病巣やウイルス・細菌などの外敵をみつけるために、レントゲンやCT、MRI、顕微鏡などの高度な医療機器が開発され、病原を素早く特定することで迅速な治療が行えるようになりました。

 これらの医療技術を駆使して、日々、脳卒中や急性心筋梗塞などの救急救命や外科手術、生命を脅かす感染症の対策、さまざまな薬の効果など、臨床の現場では西洋医学が得意とする治療が施され多くの命が助けられています。

 そして、現在ではその研究は細胞や遺伝子にまで及んでいます。

 iPS細胞は研究が進めば、病気や怪我などによって失われてしまった機能を回復させる再生医療に活用できると期待されています。

 また、異常な遺伝子を持っているため機能不全に陥った細胞の欠陥を修復する、遺伝子治療の研究なども進められています。

 このように西洋医学では、命を救うための研究が日々続けられています。

父なる西洋医学と母なる東洋医学

 一刻を争う救急救命や命にかかわる難病など、病院では西洋医学が得意とする治療が施され日々多くの命が助かっています。また、辛い症状を和らげる薬の効果に助けられている人も多くいらっしゃいます。

 西洋医学は、原因が突き止められればすぐに対処できるので、緊急性の高い病気の治療に長けています。たとえ命にかかわるような強力な細菌でも、特効薬でやっつけることができます。

 その力強さから「父なる西洋医学」と言われます。

 一方、「母なる東洋医学」は、はっきりした原因がわからない病気にも対処することができます。

 原因不明の痛みや自律神経の不調、慢性疾患などで困っている方や、更年期障害や不妊、逆子やつわりなど産婦人科系の症状で悩んでいる方が鍼灸院や漢方薬局を訪れ、多くの人が自己治癒力によって快方していきます。

 また、病院で完治不可能と言われた病気でさえも、東洋医学で改善したという例が数多く報告されています。

 このように東洋医学と西洋医学、どちらが優れているというものではないのです。

 それぞれの治療法には、特長と得意とするところがあります。

 東洋医学の自己治癒力を導く施術、西洋医学の命を救う医療、いずれも人々の健康のためにある素晴らしい医学です。

 現代には、どんな病も瞬時に治してしまうような治療法はまだありません。

 しかし、東洋医学と西洋医学があります。それぞれの特長を生かして、病気を治すという方法があるのです。

 「西洋医学は父なる医療、東洋医学は母なる医療」なのです。

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