月経前症候群の原因と考えられている説

月経前症候群の原因と考えられている説

 月経前症候群(PMS)の発症原因は、残念ながらまだはっきりしていませんが、有力と言われている説があるので紹介いたします。

女性ホルモンバランスの変化

 生理周期に伴って、2種類の女性ホルモンの分泌量は変化します。卵胞期には、卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増えます。排卵すると、卵胞は黄体に変化して、今度は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えます。これを黄体期といい、月経前症候群の症状があらわれる時期にあたります。

 この時期のホルモンバランスの変化が影響して、心と体に変調をきたすのではないかと考えられています。では、そのメカニズムをみていきましょう。

脳内ホルモンと神経伝達物質の不足

 セロトニンという神経伝達物質は、人の感情に関する情報を伝達する物質で、セロトニンが不足するとうつ傾向になると言われています。セロトニンは女性ホルモンと関係があり、卵胞ホルモンが欠乏するとセロトニンの分泌量も低下し、PMSの症状であるネガティブ思考や気持ちの落ち込みが起こると考えられています。

 また、β-エンドルフィンという脳内ホルモンは幸せな気分にしてくれます。月経前にはβ-エンドルフィンが低下するため、こころの症状があらわれやすくなるとも言われています。

 しかし、セロトニンやβ-エンドルフィンはストレスなどの影響も受けるため、月経前症候群は女性ホルモンのアンバランスだけが原因ではなく、多くの要因から起こると考えられています。

 例えば、近年、体内で利用されているセロトニンの95%以上は腸内細菌が産出していることがわかり話題となりました。このように、神経伝達物質の低下には、さまざまな要因が関連しているようです。

余分な水分の貯留

 黄体期には黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加し、その影響でむくみが出やすくなると考えられています。黄体ホルモンには、「水分を貯める」という働きがあります。これは妊娠した際に、胎内を羊水で満たし、赤ちゃんが発育しやすい環境を整えるためです。このため、黄体ホルモンの分泌量が増える排卵後は、むくみが出やすくなると考えられています。

 また、余分な水分が乳房にたまれば乳房の痛みに、頭にたまれば頭痛を引き起こす要因になると言われています。

自律神経の乱れ

 自律神経のコントロール中枢とホルモンの調節中枢は、脳の視床下部という所にあり、2つは密接しています。

 このため、ホルモンバランスが乱れると、自律神経が影響をうけ、動悸、めまい、のぼせ、不眠などの自律神経失調症のような症状があらわれると考えられています。

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自律神経失調症の症状

血糖値の低下

 生理前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下するため、血糖値が上がりやすくなると言われています。血糖値が上がると、からだの中では、血糖値を下げるために、多量のインスリン(血糖値を下げるホルモン)が分泌されます。

 このため、今度は、低血糖状態になり、甘いものが食べたくなるなどの症状が出るのではないかと考えられています。

まとめ

 生理周期に伴う女性ホルモンの変化が、神経伝達物質や脳内ホルモン、自律神経などに影響して、月経前症候群の「こころの不調」と「からだの不調」を引き起こしているのではないかと推測されています。

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