東洋医学における”気”とは何か?

東洋医学における”気”とは何か?

 東洋医学では“”という言葉がよく使われます。

 みなさんは“気”と聞くと、体内を流れる生命エネルギーのようなイメージを持っていませんか?

 でも、それは気のほんの一部分だけを説明したものにすぎません。

 東洋医学をより深く理解していただくために、ここでは気とは何か?について詳しくお話します。

このページの目次
  1. 気の原点
  2. 様々な気
  3. まとめ

気の原点

 “”という言葉の発祥は、古代中国で誕生した易学(えきがく)です。

 易学は紀元前600年頃中国で起こり、東洋医学の根幹になる“気”の東洋思想を生み出しました。

 易学の古文書には、“気”について説明した最古の文が記されています。

 それは、『精気為物(精気、物を為す)』です。

 「全ての物は精気で出来ている」という意味です。

 “精気”とは、すべての物を成り立たせている根源で、空も大地も海も、人も動物も草木も、自然界の物も人工的に作られた物も、宇宙全体のあらゆる物は精気から出来ているということです。

 目に見える物も見えない物も、全ての物が精気で出来ている訳です。

 もう少し具体的に言うと、人の身体は60兆個の細胞の集合体ですが、1つ1つの細胞は精気からできています。

 もっと細かく見ると、物理学で物質の最小単とされている素粒子も精気が集まってできていると言う事です。

 先述の体内を流れる生命エネルギーも精気から成っています。

 精気は、ありとあらゆる物の根源なのです。

 そして、この“精気”が東洋医学における“気”の原点です。

様々な気

 易学の誕生からおよそ100年後(紀元前500年頃)、易学の東洋思想をベースにして東洋医学が生まれました。

 東洋医学が発展していく中で、“精気”は“気”と呼ばれるようになり、そして様々な“気”の概念が生まれ、その働きによって名称が付けられました。

 例えば、原気、宗気、営気、衛気、臓気…などがあります。

 原気は元気とも言い、両親から受け継いだ先天の精で生命活動の原動力になる気です。その人の生まれ持った生命エネルギーと言い換えると分かり易いでしょうか。原気はみなさんがイメージしている“気”そのものです。

 宗気は、胸中に集まる気で心と肺の活動を支えています。宗気が不足すると、息苦しくなったり、心臓の拍動が弱まったりします。

 営気とは栄気とも呼ばれ、脈中をめぐり全身を栄養して活動を支えている気です。今の言葉で言うと、血管内を流れて全身を養っている栄養素に相当します。

 衛気は、体表面をめぐり外邪に対する防衛や体温保持の役割を持っています。科学的な表現を用いると、細菌などの外敵から身を守っている免疫機能や、汗腺や毛穴による体温調節機能のことを指しています。

 臓気とは、五臓(肝、心、脾、肺、腎)におさまりそれぞれの臓の活動を支えている気で、肝気、心気、脾気、肺気、腎気の5種類があります。

 肝気は、全身の気の働きを調節します。また、「蔵血作用」と言って、血を蓄えたり血の量を調節したりする働きがあります。肝気が弱くなると怒りっぽくなったり、気持ちが落ち込みやすくなったりします。

 心気は、心臓の拍動を支えている気です。また、神志を主って意識や精神活動をコントロールする役割もあります。心気が足りなくなると動悸、めまい、不眠、健忘などが起こります。

 脾気は、脾の機能を働かせる動力原になる気です。脾は飲食物を消化し輸送する働きがあるので、脾気が不足すると食欲低下、便秘や下痢などを起こします。

 肺気は、肺の機能を活動させる原動力になる気です。肺気が弱くなると、咳やくしゃみなど呼吸器の症状が現れます。

 その他にも真気、経気、胃気などの気があります。

まとめ

・東洋医学におけるとは、生体に充ちて活力として働くもので、不足すると病気の原因になります。

・気は精気から出来ています。

精気は全ての物の根源で、見える物も見えない物も、ありとあらゆる物は精気から出来ています。

参考文献:積聚治療 医道の日本社、東洋医学概論 医道の日本社、鍼灸医学大辞典 医歯薬出版株式会社



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