今、見直される「養生」

今、見直される「養生」

 今の時代、健康情報があふれるほどあります。インターネットで検索すれば、すぐに知りたい情報が見つかります。

 しかし、多くの方が日々の生活に疲れを感じていて、決して健康的とは言い難い状況です。

 また、膨大な情報に振り回されている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そんな今だからこそ、養生を見直してみませんか?

養生とは

 養生は「健康で長生きして人生を楽しむための昔からの知恵」です。

 鍼灸の古典には「聖人は己病(いびょう)を治さず、未病を治す。夫(そ)れ病、己(すでに)成りて後に之(こ)れ薬し、乱己(すで)に成りて後に之れを治るは、譬(たとえ)ば、渇(かつ)して井(せい)を穿(うがち)、闘いて槍(やり)を鋳(い)るがごとし、亦(ま)た晩(おそ)かざらんや。」と書かれています。

 「病気を治すのではなく、病気になる前の未病を治すことが大切。病気になってから薬をのむことは、喉がかわいてから井戸を掘るようなもの。また、乱が起きてから治めようとすることは、闘いが起きてから槍を作りはじめることと一緒で、晩(おそ)すぎる。」と言っています。

 このように、東洋医学には「病気を治療することよりも、病気にならないようにすることの方が大切」という基本的な考え方があります。

 養生法とは、「自分自身で生命を養って、病気を予防し健康を保つ方法」です。

養生法の種類

こころを養う

  • ・明るい気持ちでいること
  • ・無欲でこだわりを持たないこと

 「病は気から」と言うように、病気は精神的な影響が大きいものです。

 こころの健康が体の健康につながります。

 なにごとも永遠不変なものはありません。変化に応じて執着心を持たないこと、無欲であることが大切です。

自然とともに生きる

  • ・自然の法則に従うこと
  • ・季節、昼夜の自然のリズムに応じた生活をすること

 都会に住んでいたとしても、自然の中で暮らしていることに変わりありません。四季の気候変化は必ずカラダに影響を与えています。

 そして、人体の約60%は水分です。水は太陽や月の重力の影響を受けます。

 自然の法則を理解して、それに無理なく従い生活しましょう。

飲食物を適切に摂る

  • ・暴飲暴食や偏食をしないこと
  • ・合成食品添加物を極力摂らないこと

 私たちは飲食によって、大切な後天の気(エネルギー)を補っています。

 ですから、飲食の摂り方が悪ければ、マイナスになってしまいます。

 自然の恵みをありがたく頂き、量は腹八分目、ゆっくり噛んで食べることが大切です。

呼吸を正しく行う

  • ・自然なきれいな空気を取り入れること
  • ・ゆったりした呼吸を心がけること

 おへその下、丹田(たんでん)まで空気を取り入れるイメージで息を吸い込むことで、元気を活性化します。

 次に、ゆっくりと全ての息を吐き切ります。吸う時の倍ぐらいの時間をかけて吐きます。

 ゆったりとした呼吸は自律神経の働きを調整して、興奮した神経を鎮めます。

適度な運動をする

  • ・全身の筋肉・関節をバランスよく動かすこと
  • ・毎日、短時間でも繰り返し行うこと

 普段から血行を良くしておくことが大切です。

 なぜなら、血液には体を構成する約60兆もの細胞に酸素や栄養を送り届け、二酸化炭素や老廃物を回収するという働きがあります。

 血流が悪くなると、1つ1つの細胞に酸素と栄養が届きにくくなりその働きは弱まります。

 また、老廃物も体に滞りやすくなります。

 毎日、適度に体を動かして全身の血流を良くしましょう。

ツボを刺激して生命力を養う

  • ・青竹踏み、クルミ握りなどで足裏や手のひらのツボを刺激する
  • ・足三里や合谷など色々な効果のあるツボを指圧する

 気血の流れが悪くなると、ツボに反応が現れます。

 押すと痛かったり、コリがあるところがツボです。これらは疾病の兆候です。

 自分でツボを刺激して、気血の流れを改善しましょう。足三里のツボの位置合谷のツボの位置

最後に

 養生法の中で、最も大切なのはこころの養生です。

 東洋医学には身心一如という言葉がありますが、これは「心と身体は一体」という意味です。

 心が元気になれば体も健康になります。

 また、「身を治めるは、神を養うを太上とし、形を養うは其の次とす」とも言われています。

 「健康や病気の予防には、まず、神(=精神)を養うことであり、形(=身体)はその次である」ということです。

 このように、東洋医学では昔からこころの養生を重要視してきました。

 ストレス社会で生活している現代人にとって、これが一番大切なのではないでしょうか。

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