妊娠「安定期」の旅行の注意点

妊娠「安定期」の旅行の注意点

 妊娠中期に入りからだも安定してきたし、出産後はしばらく無理なので今のうちに旅行にでも行きたい。でも、もしお腹の赤ちゃんに何かあったら、と不安に思っている方もいるのでないでしょうか。

 旅行に行っても何もなかったという妊婦さんがいる一方で、トラブルに見舞われた方がいるのも事実。そこで、安定期の旅行の注意点について、東洋医学と西洋医学の両面からお話します。

医学用語に「安定期」はない

 「安定期」と聞くと、ついつい安全な時期のように思ってしまいますが、実は西洋医学の用語に「安定期」という言葉はありません。

 これは「妊娠に安全な時期はない」という基本的な考え方がベースにあるからだと思います。妊娠中は何が起きても不思議ではありません。

 一般に、妊娠15週までを妊娠初期、16週~27週を妊娠中期、28週以降を妊娠後期と呼んでいます。

 妊娠初期(15週まで)は、受精卵が着床して、胎盤が作られる大切な時期です。この時期は、受精卵が着床してもうまく成長できないなど、数人に1人の割合で流産を経験します。

 妊娠後期は、早産や妊娠高血圧症候群などが起こる可能性がでてきます。

 妊娠中期は、初期や後期にくらべればトラブルの目立たない時期です。胎盤も完成して、初期流産の危険性が下がるので、俗に「安定期」と呼ばれているのかもしれません。

 でも、流産や早産のリスクがまったく無いというわけではありません。

 中期流産は初期流産に比べると少なくなりますが、それでも流産全体の5~10%は中期に起こっています。

 早産は、全妊娠の約5%(年間60,000件前後)で起こり、そのうち妊娠中期にあたる22週~28週未満の早産は、約0.2%、年間で2,500件前後あるとされています。

 また、妊娠中期~後期に起こる、妊娠高血圧症候群のリスクは20人中1人の割合と言われています。

 統計的にみても、安定期のトラブルは少ないけれどもあります。

 不安になりすぎる必要はありませんが、安定期と呼ばれていても危険性がゼロではないことは知っておきましょう。

「気虚」に注意

 東洋医学的にみると、旅行中や帰宅後に起こるトラブルの原因の多くは、母体の「気虚」によるものです。

 「気」とはわかりやすく言うとエネルギーを意味し、エネルギーが欠乏した状態が「気虚」です。「冷え」ともいいます。

 気が虚する、つまり、エネルギーが不足すると母体は冷え、赤ちゃんを保てなくなり流産や早産が起こります。妊娠高血圧などのトラブルも、エネルギー不足によってからだの機能が低下し、赤ちゃんを維持できなくなるためにおこります。

 普段から不規則な生活を送っていたり、食生活が乱れていると「気虚」を招きやすくなります。

 食事は「後天の精」を補うとされています。「後天」とは「生まれ出た後のこと」を指し、「精」とは「気」を意味します。つまり、食事は、元気に日常生活を送るためのエネルギーを補ってくれます。もちろん妊娠中は、赤ちゃんを育むために必要なエネルギー、いわゆる「気」の源(みなもと)になります。

 旅行中に食生活が乱れたり、寝不足で疲労がたまったりすると、母体は「気虚」を起こしかねません。無理や不摂生は、「気」を余計に消耗して、思わぬトラブルを招くことになります。

 よく言われることですが、規則正しい生活とバランスのとれた食事はやはり大切なのです。普段から心掛けて「気」を充実させましょう。病院の定期検診も忘れずにうけ、自分の体調をよく確認しておきましょう。

 母子ともに順調であれば、1日中、安静にしている必要はありませんが、できれば、旅行はひかえ、普通に日常を送ることが安産に繋がります。

 もし、実家に帰るなど遠出の予定があるときや、どうしても今のうちに旅行に行っておきたい場合には、自分の体調に無理がないか計画を今一度見直し、産婦人科の医師に必ず相談しましょう。

 「気虚」のはじまりは、自分自身でも気が付きにくいものです。東洋医学に詳しい鍼灸院で一度みてもらうのもいいでしょう。

参考文献:杉俊隆著 不育症学級 金原出版、藤井和行監修 流産 東京図書、病気がみえるvol10産科 メディックメディア

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