月経不順(生理不順)
正常な月経は周期が25~38日、期間が3~7日とされています。このような規則的な周期がみられない状態を「月経不順(生理不順)」と言います。月経不順は、放置しておくと不妊症を招くこともあります。
西洋医学的なメカニズム
月経は卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の周期的な変動によって起こる生理的な現象です
ですから、何らかの要因でホルモンバランスが乱れると、月経不順が起こります。要因には以下のようなものがあります。
- 1.何か病気が潜んでいる
- 2.薬の副作用
- 3.ストレス

この中で、特に大きな要因になるのが、ストレスです。 なぜならば、女性ホルモンの分泌量を調整する中枢は、脳の視床下部というところにあります。このホルモン調節中枢のすぐ近くには、不安感や怒りなどの感情を司る情動中枢があります。 このため、ホルモン調節中枢はストレスの影響をとても受けやすいのです。
女性ホルモンの調節中枢が乱れると、卵巣から分泌されるホルモン分泌に影響が出ます。エストロゲンと呼ばれるホルモンは、子宮内膜を厚くする働きがあります。また、プロゲステロンは子宮内膜に十分な栄養が行きわたるように作用します。これらの女性ホルモンが不足すると、子宮内膜の剥離を招いて不正出血し、月経不順を起こすことになります。
東洋医学的な考え方と鍼灸治療
月経を支える腎・肝・脾
東洋医学では、「腎は、精を蔵する」とされ、「精」とは、生殖力の根源です。つまり、「腎」の働きが充実していれば、生殖力を生みだします。「腎」は、月経を土台から支えています。
「肝」は「血を蔵す」といい、血液を蓄えたり、血流量を調整する働きを持ちます。
「脾」は「運化・統血を主る」とされています。「運化」とは日々摂取する飲食物から、血液の源になるエネルギーを吸収し、からだ全体に配布する働きをいいます。「統血」は、血液のめぐりをコントロールする働きをさします。統血が上手く行えなくなると、不正出血が起こります。
生理が周期的にあるということは、腎・肝・脾のはたらきが充実しているということです。
月経に影響する七情
ところが、腎・肝・脾に影響するものがあります。それが「七情」のアンバランスです。
「七情」とは「喜、怒、思、憂、悲、恐、驚」の七つの感情を言います。七情の起伏(きふく)が激しいと冷えが生じ、腎・肝・脾に悪影響を及ぼします。
例えば、怒り過ぎると「肝」が弱まります。思い悩んでいると「脾」が傷み、不安や恐れは「腎」の働きを低下させます。
七情のアンバランスは、月経をコントロールしている腎・肝・脾に影響して、月経不順を招くことになります。
施術方針
当鍼灸院の月経不順の施術方針は、「七情を安定させ、月経を支える腎・肝・脾を強化する」ことです。
鍼の柔らかな刺激で、腎・肝・脾の経絡にある「気血の滞り(とどこおり)」を解消します(経絡とは気血の通り道です)。気血の流れにのってお灸の効能が、腎・肝・脾に行き渡ります。
さらに、鍼灸の持つリラックス作用で、七情の安定を図ります。
月経は女性にとって健康のバロメーターです。月経不順の方は、頭痛、肩こり、めまい、冷え性などの不調を抱えていることも珍しくありません。
はなもも鍼灸治療院では、これらの悩みも一緒に施術していきます。月経不順でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。月経不順のツボ
ここでは、月経不順の施術に使われる代表的なツボを紹介いたします。
1.中極(ちゅうきょく)
身体の中心線上で、おへその下4寸のところに中極のツボがあります。おへそと恥骨上端の間を5等分して、その一つを1寸とします。目安は、おへその下へ指5本分幅ほど下がったところです。
中極は、月経不順の他に女性特有の不調によく使われます。月経痛、不妊、子宮筋腫、子宮内膜症などにも有効です。
2.関元(かんげん)
身体の中心線上で、おへその下3寸のところに関元のツボがあります。おへその下へ指4本分幅下がったところです。
関元という名前は、健康の元である元気に関わる重要なツボ、ということを意味しています。応用範囲のとても広いツボで、月経不順をはじめ、月経痛、不妊、子宮筋腫、頻尿、冷え症などにもいいツボです。
3.子宮(しきゅう)
中極から指4本分幅横にいったところに、子宮のツボがあります。
ホルモンバランスを整えるとされ、月経不順、不妊などに用います。
4.三陰交(さんいんこう)
三陰交のツボは、足の内くるぶしから指幅4本分上がった骨際にあります。
昔から女性のツボとしてとても有名です。月経不順、月経痛、不妊、冷え症、更年期障害をはじめ、逆子や安産の灸にも使われます。

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