PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)

 月経前になると心身の不快感に悩まされていませんか?

 月経に伴う不調を全く感じたことがない、という女性は稀で、程度の差はあれ、一度は経験しているのではないでしょうか。

 ここでは、PMS(月経前症候群)と当鍼灸院で行っている鍼灸治療についてお話します。

PMSとは

 PMSとは“Premenstrual Syndrome”という英語の略称です。

 生理の3日~10日前になると、決まって不快な症状に悩まされる場合をPMS(月経前症候群)といいます。

 特に、40歳~更年期の人に多くみられます。

 基本的にPMSは排卵性月経で起こり無排卵性月経では起こらないので、排卵・月経の機能自体は正常です。

PMSの症状

 PMSの症状は、精神面身体面の両方にあらわれやすく、月経が始まると自然におさまってしまうのが特徴です。

【精神面の不調】

  • ・イライラする
  • ・怒りっぽくなる
  • ・不安になる
  • ・悲しくなる
  • ・憂鬱な気分になる
  • ・気持ちが落ち込む
  • ・集中力がなくなる
  • ・眠い
  • ・眠れない など

【身体面の不調】

  • ・顔や手足のむくみ
  • ・胸のはり
  • ・頭痛
  • ・のぼせ、ほてり
  • ・動悸
  • ・肌荒れ
  • ・腹部膨満感
  • ・便秘、下痢
  • ・疲れやすい
  • ・トイレが近くなる
  • ・甘いものが欲しくなる など

 PMSは個人差が大きく、上手く付き合いながら過ごせる人と、寝込んでしまうほど酷く日常生活に支障が出る人もいます。

 月経が始まると症状がおさまるため、我慢する人もいますが、あまりにも辛い場合は別の病気が潜んでいることもあるので、一度、婦人科でみてもらいましょう。

PMSの原因

 はっきりした原因はまだわかっていませんが、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の関与が有力視されています。

 排卵を境に、それまで増加していた卵胞ホルモンの分泌量が急激に減少し、代わりに黄体ホルモンの分泌量が増加します(下図)。月経に伴う女性ホルモンの変化を示した図

 一説には、この2つのホルモンバランスが崩れることで自律神経の働きに影響が及び、PMSが起こるのではないか、と考えられています。

 これについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 卵胞ホルモン黄体ホルモンの分泌をコントロールしている中枢は、脳の視床下部という所にありますが、ここには自律神経のコントロール中枢もあります。

 しかも2つの中枢はすぐ近くにあり、連携しながら働いています。

 このためホルモンバランスが乱れると、自律神経中枢に影響が及び、PMSに見られる動悸などの自律神経症状があらわれやすくなると考えられています。

 女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の影響は、自律神経だけではありません。

 セロトニンという脳内の神経伝達物質は、人の感情に関する情報を伝達する物質で、不足するとうつ傾向になることがわかっています。

 セロトニン卵胞ホルモンの増減と連動していて、卵胞ホルモンが減少するとセロトニンも減少します。

 このため、卵胞ホルモンが急に減少する月経前(排卵後)は、セロトニンの分泌量が減少してネガティブ思考や気持ちの落ち込みなど、こころの変化が起こりやすくなります。

 また、黄体ホルモンには「水分を貯める」という働きがあります。これは妊娠した際に、胎内を羊水で満たし、赤ちゃんが発育しやすい環境を整えるためです。

 排卵後は黄体ホルモンの分泌量が急に増えるため、余分な水分が体内に溜まって、浮腫みが出やすくなるとされています。水分が乳房に溜まると乳房の痛みに、頭に溜まると頭痛を引き起こす要因になります。

 以上のように、PMSの原因として女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の関与が有力視されていますが、これ以外の事もわかってきています。

 例えば、β-エンドルフィンという脳内ホルモンは幸せな気分にしてくれますが、月経前になると分泌量が低下します。このため、生理が近づくとこころの変化があらわれやすくなります。

 また、月経前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の作用が弱くなるため、血糖値が上がりやすくなります。すると、血糖値を下げるために多量のインスリンが分泌され、今度は、低血糖状態になります。このため月経前は、甘いものが欲しくなります。

 近年は、PMSとカルシウムとの関連性も注目されています。アメリカで行われた臨床試験では、カルシウムを補充することでPMSの症状がある程度改善されることがわかりました。

 いずれにしてもPMSの発症原因はまだはっきりとわかっていませんが、女性ホルモンの影響をはじめ、脳内ホルモン、血糖値、カルシウムなどの生理的な変化によって、PMSは引き起こされると考えられます。

現代医学的な治療法

 体調や生活への影響を考慮して、どの方法を用いるか検討されます。

症状に合わせた対症療法

 ・頭痛などの痛みには鎮痛剤や漢方

 ・浮腫みには利尿剤

 ・精神面の訴えには、抗うつ剤など

低用量経口避妊薬

 比較的リスクの少ない低用量経口避妊薬(エストロゲンとプロゲステロンの合剤)を使って、排卵を抑制する方法です。

PMSの対処方法

上手に気分転換

 軽い不快感なら、もうすぐ月経がはじまるサインと受けとめられますが、ひどい場合には憂鬱になることもあります。毎月のことなのでストレスになって悪化させないように、上手に気分転換をはかりましょう。軽い運動、入浴、趣味などで、心身をリラックスさせるのもいい方法です。

リズミカルな生活

 生活習慣も見直してみましょう。規則正しい生活を心がけて、毎日の生活にリズムをつける、十分な睡眠と休養をとる、1日3食バランスのよい食事をとる、などといったことで、軽くなることもあります。

塩分・水分の制限

 浮腫みが酷い場合は、塩分や水分を摂り過ぎないように、適量の摂取を心がけましょう。

手軽にできるお灸

 お灸は自分でもできる簡単な対処方法です。ドラックストアなどで家庭用のお灸を購入できます。

 副作用はほとんどなく、からだに優しく作用します。軽度であれば、自分で対処できる場合もあります。

月経前症候群のツボ

 月経痛の施術に用いる三陰交(さんいんこう)や照海(しょうかい)は、月経前症候群にもおすすめのツボです。特に三陰交は、「女性のツボ」と呼ばれるほどです。

PMSの鍼灸治療

 PMSの原因として、月経前に起こる女性ホルモン、脳内ホルモン、血糖値などの変化が疑われていますが、これらの生体現象は月経のある女性なら誰の体にも起こることです。

 でも、全員がPMSに悩まされる訳ではありません。という事は、PMSを引き起こす原因が他にもあるはずです。

 では、東洋医学に基づいて原因解決方法を探っていきましょう。

 本来、女性のからだには、月経前に起こる体内の様々な変化に適応する仕組みが備わっています。

 例えば、月経前から月経前半にかけて分泌されるプロスタグランジンというホルモンは、自律神経のバランスを整える働きがあることがわかっています。

 確かに、月経前は女性ホルモンの影響で自律神経が乱れやすいかもしれませんが、プロスタグランジンが十分に分泌されれば、それほど大きく乱れることはありません。

 また、近年、体内のセロトニンの95%以上は腸内細菌(腸内フローラ)が作っていることがわかり話題になりました。月経前はどうしてもセロトニンが不足しやすいとしても、それを十分に補える機能があるのです。

 さらに、体内の水分調整は腎臓が、血糖値の調節は膵臓が、24時間休むことなく常に行っています。

 このように、月経前の様々な変化に適応する機能(適応機能)が、女性のからだにはちゃんと備わっています。

 いつも適応機能がスムーズに働いていれば、月経前の変化にそれほど左右されることなく、毎日を快適に過ごすことができます。

 でも、時として、適応機能が正常に働かなくなることがあります。

 それは、精気、つまり、生命力が低下した時です。

 当鍼灸院で取り入れている積聚治療では、「病は、生命力が低下して、からだに備わっている機能が正常に働かなくなることで起こる」と考えています(参考までに、積聚治療では「生命力の低下」のことを「冷え」と表現しています)。

 PMSも生命力が低下した結果、適応機能がスムーズに働かなくなり引き起こされた、と捉えています。

 生命力は生体の根源であり、適応機能の動力源です。

 どんなに健康な人でも無理を重ねていると疲労が溜まり、やがて生命力は弱まってきます。

 はなもも鍼灸治療院では、生命力を高めて適応機能を回復する、という施術を行っています。治療の様子

 PMSを根本的に解決するには、月経前の変化に左右されないからだを取り戻すことが重要と考えています。

 PMSに悩まされている方、良くなったと思っても再発してしまう方、ぜひ一度、当鍼灸院の施術をお試しください。

 鍼灸が、心身の不調に悩まされている方々のお役に少しでも立てればと思っています。

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