ピックアップ障害

ピックアップ障害

 不妊の原因の1つとされるピックアップ障害。もしかしたら、自分はピックアップ障害かもしれない、と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

 ここでは、ピックアップ障害とはどんな症状なのか、また、当院ではどのような鍼灸治療を行っているのか紹介します。

ピックアップ障害とは

 卵胞から排卵した卵子は、卵管の先端にある卵管采から、卵管の中に入ります。そして、卵管内で待っている精子と無事に出会えると受精卵になります。卵胞と卵管采のイメージ図

 でも、排卵した卵子は、自然に卵管采の中へ入っていくわけではありません。イソギンチャクの触手のような卵管采が、排卵する卵胞を事前に感知して、前もってその卵胞を覆い、排卵して飛び出した卵子を卵管内に吸い込みます。これを、卵管采のピックアップ機能と呼びます。

 卵管采が、どうやって排卵を前もって感知しているのかは謎です。

 ピックアップ機能がうまく作動しない状態を「ピックアップ障害」といいます。もし、ピックアップ障害が起きていると、卵子と精子が出会えない、あるいは、非常に出会いにくい状況になります。

 ピックアップ障害は、卵管采の形に異常が確認できれば、腹腔鏡検査でわかりますが、そうでなければわかりません。また、卵子がちゃんと卵管内へピックアップされているかどうかを確認する検査は、残念ながらありません。

 不妊の原因が不明で、タイミング法や人工授精を行っても結果が出ない場合、ピックアップ障害も原因の一つとして考えられます。

ピックアップ障害の鍼灸治療

 西洋医学では、ピックアップ障害とは、「ピックアップ機能がうまく作動しない状態」とされていますが、東洋医学では、もう一歩踏み込んで、その病態を捉えます。

 妊娠するには、女性ホルモンを十分に分泌させたり、質の良い卵子を作ったり、受精卵の着床しやすい子宮内膜を育てたり、排卵した卵子を卵管采がピックアップしたり、これらすべての機能が働いてはじめて妊娠できるわけです。

 東洋医学では、これら1つ1つの機能を作動させる力のことを、「妊娠力」と呼んでいます。つまり、ピックアップ機能がうまく作動しないのは、妊娠力が低下してしまったためです。

 妊娠力は本来、そう簡単に低下するものではありません。長い時間をかけてじわじわと低下してきます。

 その大きな原因が、「冷え」です。ただし、ここで言う冷えとは物理的に冷たいということだけではなく、もっと重要な意味を持っています。一言で表すと「精気の消耗」です。

 「精気」とは、その人の生まれ持ったエネルギー(生命力)のようなものです。

 人は少しずつ「精気」を使いながら暮らしていますが、時に、余計に精気を消耗することがあります。

 仕事や人間関係などのストレスがかかったときや、暴飲暴食をしたとき、夜更かしをしたときなどです。精神的ストレスを抱え続けたり、不規則な生活や乱れた食生活を続けていると、必要以上に精気を消耗することになります。

 この精気の消耗を「冷え」と呼んでいます。

 そして、からだが冷えると(精気を消耗すると)、からだの機能はだんだんと低下します。

 たとえば、病気からからだを守る「免疫力」という機能は、体温が1度下がると、30%も低下することが科学的にわかっています。これは、まさに、冷えがからだに及ぼす影響と言えます。

 東洋医学の基本理念、「冷えは万病のもと」の詳細が、科学的に明らかになってきました。

 ピックアップ機能がうまく作動しないのも、からだが冷え(精気を消耗し)、妊娠力が低下してしまったためと考えています。

 当院では、「冷えを解消して、妊娠力を最大限に高め、ピックアップ機能を作動させる」という治療を目指しています。

 鍼とお灸で全身のツボを優しく刺激して、からだの隅々に気血をめぐらせます。活力が生まれ、冷えは徐々に解消され、妊娠力が高まってきます。

 「妊娠する力を養い、1つ1つの機能をしっかりと働かせ、妊娠へと導く」、これが当院の治療方針です。

 ピックアップ障害の不安を抱えている方、不妊の原因がわからずお悩みの方、ぜひ一度、はなもも鍼灸治療院にご相談ください。

参考文献:赤ちゃんが欲しい人の本 西東社、不妊治療はつらくない 主婦の友社

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