逆子

逆子

 通常、おなかの中の赤ちゃんは頭を下にしていますが、頭が上や横向きになった状態を逆子(骨盤位)と言います。

 出産時、赤ちゃんは頭から出てくるのが正常ですが、逆子の場合は足からなので、手が引っ掛かったりして分娩に時間がかかり、難産になることがあるとされています。最近は、逆子のまま出産時期を迎えると、帝王切開にする病院が多くなりました。

 ここでは、逆子の原因と当院で行っている逆子の鍼灸治療などを紹介します。

逆子の原因

 西洋医学では、「低置胎盤で胎盤が子宮の下方にある」、「子宮筋腫があるために子宮が狭い」、「赤ちゃんにへその緒が絡まっている」などの場合、逆子になりやすいと言われていますが、東洋医学ではもう一歩踏み込んで「根本的な原因」を考えます。

 確かに、子宮が狭かったりすると、赤ちゃんは居心地が悪そうですが、だからと言って、必ず逆子になるとも限らないとされています。

 逆子になることもあれば、ならないこともあるのです。

 ということは、低置胎盤やへその緒が絡まっていることなどは、逆子になるきっかけであって、根本的な原因は他にあるはずです。

 では、逆子の根本原因を紐解いていきましょう。

東洋医学でみる逆子

 東洋医学の基本概念に陰陽論という考え方があります。

 すべてのものには二面性、があり、そして陰陽は相対的なものと考えます。一方が陰ならもう一方は陽です。

 反対のものでありながら、調和する、それが陰と陽です。

 たとえば、女性(陰)と男性(陽)、1人の人を見た場合は下半身(陰)と上半身(陽)、お腹(陰)と背中(陽)・・・などです。

 陰があるから陽があり、陽があるから陰があるのです。

 お母さんとおなかの赤ちゃんも、陰と陽が調和した関係で安定しています。

 お母さんの頭が上、足が下、そして赤ちゃんの頭が下、足が上にあります。このようにお母さんの下腹部(陰)に赤ちゃんの頭(陽)があると、陰陽は調和し安定します。

 陰陽が調和していると、赤ちゃんにとっても居心地がよいのです。

 ところが、何らかの理由で居心地が悪くなると、赤ちゃんは頭を上にすることがあります。いわゆる、逆子です。

 逆子は、赤ちゃんからのサインです。

逆子の根本原因

 女性のからだは、妊娠すると「気血のめぐり」がとても良くなります。気とは「精気(せいき)」、科学的な言葉では、生命エネルギーというとわかりやすいでしょうか。血は血液です。

 妊娠してから、からだが温かくなったと感じている方も多いのではないでしょうか。中には暑いくらいに思っている人もいることでしょう。

 これは、大切な命を育むために、気血がからだの隅々までめぐっているからです。もちろん、お腹の赤ちゃんにも気血はめぐります。

 気血の流れがスムーズだと、お母さんは体調よく感じられます。お腹の赤ちゃんも頭を下に向け、陰陽が調和した環境で、スクスクと成長します。

 気血のめぐりが良いからだは、温かくて、赤ちゃんも居心地がいいのです。

 ところが、気血の流れに偏り(かたより)や滞り(とどこおり)が起きると、赤ちゃんはだんだんと居心地が悪くなってきます。

 その状態が長く続くと、やがて逆子になるわけです。

 つまり、逆子の根本原因は、気血の流れなのです。

 気血の流れが乱れると、からだは徐々に冷えてきます。

 人のからだは、悩み事などのストレス、無理な仕事、生活習慣、交通事故や外傷、環境などの要因により、気血の流れに滞りや偏りが起きて、だんだんと冷えが生じてきます。

 特に下半身が冷えている妊婦さんは注意してください。「赤ちゃんは大切な頭を冷えから守るために逆子になる」とも言われています。

 赤ちゃんの健やかな成長のためには、気血のめぐりが良い、温かいからだが必要なのです。

 日常生活では、からだを温かく保つようにこころがけましょう。

逆子の鍼灸治療

 はなもも鍼灸治療院では、逆子を無理に戻すのではなく、気血のめぐりを良くして、自然なかたちで赤ちゃんの頭が下を向くお手伝いをさせていただきます。

 ここ数年、逆子治療に鍼灸院を訪れる妊婦さんが増えてきました。

 おなかの赤ちゃんにもお母さんのからだにも無理な負担をかけることなく、やさしく穏やかになおしたいと希望するお母さん方が、来院するようになりました。

 当院では、はりとお灸で全身の気血の流れを整え、冷えを解消していきます。からだのすみずみに新鮮な血液が行き渡り、ぽかぽかの温かいからだになっていきます。

 おなかの赤ちゃんは居心地がよくなり、穏やかに動いて自然と頭を下に向けてくれることでしょう。

 骨盤内の血行も改善されて、新鮮な酸素と栄養がとどき、赤ちゃんの健やかな成長も期待できます。

 また、お母さんの腰痛、恥骨痛、股関節痛、お腹の張りなど、妊娠中の悩みも緩和されます。

 逆子は、気持ちをリラックスさせることもとても大切です。悩みすぎや考えすぎは、赤ちゃんにも伝わると言われています。

 近年の研究では、鍼灸でリラックス作用のあるエンドルフィンやエンケファリンなどのホルモンが分泌されることが明らかになりました。

 これらの働きにより、爽快感が感じられ、気持ちも元気になり、前向きになると考えられています。

 心とからだが元気になる鍼灸ケアは、お母さんにもおなかの赤ちゃんにもとてもやさしい治療法です。

 気血のめぐる温かいからだになって、身心ともにリラックスしてください。

*妊婦さんの鍼灸治療の安全性については、こちらをご覧ください。
→ 妊婦さんに安心・安全な鍼灸治療

逆子のツボ

 ここでは、東洋医学で昔から逆子の治療に使われてきた伝統的なツボを紹介します。

1.三陰交(さんいんこう)

 三陰交のツボは、足のくるぶしから指幅4本分上がった骨際にあります。三陰交の説明図

 逆子、安産だけではなく、婦人科系のツボとしても有名です。不妊症、生理不順、生理痛、冷え症、更年期障害などの治療にも使われます。

2.至陰(しいん)

 足の小指の外側で、爪のつけ根にあります。

 「至」はいたる・とどくなどの意味です。「陰」はここでは小陰(小指)を指しています。よって至陰は足の小指に至るツボという意味です。至陰の説明図

 逆子をはじめ、足のほてり・冷え、頭痛・頭重、鼻づまり、便秘、夜尿症、肩こりなどにも効果がみられます。

*お母さんの体調によっては刺激を控えた方がよいツボもあります。ご自宅でお灸を行う際には必ず鍼灸師に相談してください。

 はなもも鍼灸治療院では、気血のめぐりを良くして、赤ちゃんが戻りやすい温かい環境を整えます。そのうえで、逆子のツボにお灸を施すので、より効果的に逆子のお灸が作用します。

逆子治療を始める時期と症例

 逆子というのは病院にもよりますが、一般に28週ぐらいで頭が上を向いていたら逆子と診断されます。

 赤ちゃんのからだが小さいうちはお母さんのお腹の中でコロコロと動き回っていますが、体が大きくなってくると子宮内で動くスペースがせまくなってきます。

 その時期が28週あたりです。逆子治療のタイミングは、28週を過ぎていれば早ければ早いほど良いでしょう。

 逆子は、治療開始が早いほど戻りやすいです。

 お腹の中の赤ちゃんがずっと逆子のまま大きくなったり、お母さんの冷えがつよく逆子が戻りにくかったりする場合は、何回か治療を重ねることもあります。

 逆子は35週をこえると戻りにくいと言われていますが、37週ぐらいまでは赤ちゃんが動けるスペースがあれば直ります。

 根気よく気血のめぐりを整え、冷えをとっていけば、おなかの赤ちゃんも自然と頭を下にむけることでしょう。

症例:逆子と冷え症

ここでは、36週で逆子が直った症例を紹介します。

【初診】

 かかりつけの産婦人科で、24週のときに赤ちゃんの頭が上を向いていると言われました。

 自然に戻るか様子をみていましたが赤ちゃんの動きは少なく、29週になっても逆子だったため、逆子体操の指導を病院で受けて体操をはじめました。

 体操を続けていましたが逆子は直らず、32週のときに当院を来院されました。

◇お母さんの症状

 妊娠前から足が冷たく、辛い便秘にも悩まされていました。ヘルニアのため腰痛もありました。

【鍼灸治療の経過】

 お母さんは妊娠前から冷え症状があり、赤ちゃんは頭を上に向けたまま32週を迎えていることから、週2回のペースで鍼灸治療を開始しました。

◇治療初回

 治療中からよく胎動がありました。治療後はお母さんの足が良く温まり、全身がほかほか温かいと感じていました。治療に並行して、自宅でのお灸もはじめてもらいました。

◇治療3回目~5回目

 おなかの中の赤ちゃんは、今までにないくらいよく動くようになりました。お母さんも足の冷えがなくなってきました。

◇治療6回目

 産婦人科で次回の検診のときに逆子が直っていなければ、帝王切開の日を決めましょうと言われました。

 できることはやっておきたいとのお母さんの希望で、治療を根気よく続けました。

◇治療7回目~8回目

 この頃になると、お母さんの冷えも解消されてきて、腰痛が楽になってきました。便秘も良くなり、便秘薬をのまなくてもお通じがくるようになりました。

◇治療9回目

 産婦人科の検診で、逆子が直っていることが確認されました(36週)。

 このように、はなもも鍼灸治療院では、気血の流れ良くして身体にたまった冷えをとり、赤ちゃんが戻りやすい温かい環境を整えます。

 そのうえで、伝統的な逆子のツボにお灸を施すので、より自然なかたちで穏やかに赤ちゃんが頭を下に向けやすくなります。

 冷えが解消されることで、お母さんの悩ましい症状も改善されていきます。

 逆子が直らないとお悩みのお母さん、ぜひ一度はなもも鍼灸治療院にご相談ください。

逆子の予防

 当院では、逆子予防のための鍼灸治療も行っています。

 1人目で逆子になった方が、2人目を妊娠して逆子予防のために訪れたり、また、安定したマタニティライフを希望する妊婦さんが来院したりしています。

 実際、定期的に鍼灸治療を受けている妊婦は体調も良く、たとえ逆子になったとしても戻りやすい傾向がみられます。もちろん、安産にも鍼灸はおすすめです。ぜひ一度、お問合せ下さい。

card当院では、千葉県の「子育て応援!チーパス」カードをご利用いただけます。 カード提示で、施術料を500円引きさせていただきます。
ぜひご活用ください。
はなもも鍼灸治療院は、千葉県の「子育て応援! チーパス事業」に協賛しています。

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