うつ病

うつ病

 うつ病は、現代人がかかりやすい病として、最近クローズアップされています。女性は5人に1人、男性は10人に1人が一生に一度はかかる、よく起こる病気と言われています。

 ストレスにさらされれば誰でもなりうる病気です。

うつ病とは

 うつ病には、憂うつな気分や気持ちの落ち込みといった抑うつ症状や、焦燥感、意欲の低下、考えがまとまらないなどの症状がみられます。これらの症状は、朝に強く、夕方になると少し楽になるということもあるため、周囲の人たちは、「たいしたことない」と誤解してしまうこともあります。

 また、多くの人が、不眠、食欲低下、体重減少、肩こり、女性の場合は生理不順などの身体症状にも悩まされています。倦怠感、めまい、下痢や便秘、口が渇く、動悸、息切れといった、「自律神経失調症状」を伴うこともよくあります。

 本人の意思ではどうにもならず、さらにうつ状態が進むといった悪循環に陥ります。

 西洋医学では、うつ病の原因はまだ、はっきりとは解明されていませんが、日常生活のなかで起こるさまざまな要因がむすびついて発症すると考えられています。

 結婚・妊娠、昇進・転勤・配置換えなど、家庭や職場で今までとは違った役割が生じた時に、うつ病になってしまうことがあります。また、大切な人との死別、人間関係や家庭内でのトラブルなども誘因となります。

 うつ病になる人は、几帳面で完璧主義、仕事熱心で責任感が強いタイプ、他人との関係を重視する人が多いようです。発症しやすい年代に差はなく、各世代に広がっています。

 最近の研究では、うつ病は、脳内の情報伝達システムにトラブルが生じていると考えられています。

 脳の中では、「神経伝達物質」によって、神経細胞から神経細胞へさまざまな情報が伝達されます。「セロトニン」や「ノルアドレナリン」は、人の感情に関する情報を伝える物質で、何らかの原因でこれらの物質が減少し、情報の伝達がうまくいかなくなることで、うつ病の状態が起こると考えられています。

うつ病の鍼灸治療

 東洋医学では、心の病であっても他の病気と治療方針はかわりません。

 なぜなら、「心と体は一体」と考えるからです。どちらかが悪ければ、もう一方にも影響が出ます。

 ですから、当鍼灸院でも病んだ部分だけを診るのではなく、からだ全体から精神状態までトータルで診ます。

 鍼灸治療の基本となる言葉に、「病は気から」というものがあります。これは、病気の原因をうまく言い表しています。

 鍼灸治療は、病気の原因として「心(こころ)」、つまり、感情を重要視しています。感情を表すものに、七情があります。「喜、怒、思、憂、悲、恐、驚」の七つで、これらの感情のアンバランスがからだに悪影響を及ぼします。

 現代はストレス過多の社会です。私たちは、日々ストレスに囲まれた生活を送っています。喜びすぎる(喜)ということはあまりないと思いますが、カッカしたり(怒)、思い悩んだり(思)、くよくよ考え込んだり(憂)、悲しんだり(悲)、不安を抱いたり(恐)といったことはよくあることだと思います。

 いつも憂鬱な気持ちでいたり、イライラして不機嫌でいると病気になりやすくなります。

 七情のバランスがとれた状態こそ、健康と言えます。

 うつ病の原因の多くは、七情の不均衡から起こります。この七情のアンバランスは気のめぐりを停滞させ、それが冷えとなり、からだから元気を奪います。

 うつ病の鍼灸治療の方針は、まず気の鬱滞(うったい)をはらす治療を行い、それと共に七情のバランスを整えていきます。治療に使う主なツボは背面、脚、腕、腹部ですが、その人の症状や体質、その日のお体の状態を診て、最も有効なツボを選択します。

 うつ病は、社会生活や私生活に支障がでてしまうため、長期間にわたって辛い思いをして、身体も心も疲れてしまいます。

 はなもも鍼灸治療院では、前向きな気持ちを持って生活を送ることができるよう、治療に取り組んでいます。

 うつ病でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

うつ病の鍼灸治療を科学的に解釈する

 うつ病の中には便秘や下痢など腸の症状を伴うケースが多く、お腹の治療も並行して行っています。こういった方々は、お腹の調子が良くなってくると、うつ症状も改善されてきます。

 最近、これを科学的に裏付ける、とても興味深い報告がありました。西洋医学で、うつ病と関係しているとされる、セロトニンなどの脳内神経伝達物質のほとんどは、実は、腸内で作られていたことがわかりました。

 脳内で重要な役割を果す神経伝達物質は、腸で産生されていたのです。長い間、脳内の問題と捉えられていたうつ病は、実は腸と密接に関係していました。

 うつ病に腸の症状を伴う方が多いのもよくわかります。鍼灸治療で便秘や下痢の症状が良くなると、腸内環境が回復して、うつ症状も改善してくる訳です。

 やはり、「心と体は一体」なのです。

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